企業の生成AI業務活用率86.4%|総務省白書の調査条件と日米独中
公開日: 約 6 分で読めます#生成AI #業務活用 #企業 #情報通信白書 #調査データ

自社の何らかの業務で生成 AI を使っていると答えた企業は、日本で 86.4% でした(総務省「令和 8 年版 情報通信白書」)。ただしこれは、デジタル化に着手済みの企業の管理職以上に聞いた数字で、母数は「わからない」を除いた日本 477 社です。
この記事でわかること
- 業務で生成 AI を利用している企業は日本で 86.4%(活用方針の設問で「わからない」と答えた対象を除く 477 社が母数・総務省「令和8年版 情報通信白書」)
- 同じ図表の(参考)2024 年度企業向け調査では日本 55.2%、2025 年度は米国 90.9%・ドイツ 91.6%・中国 98.1%(同)
- 回答者は、2025 年までにデジタル化の取組を開始した従業員 10 名以上の企業の管理職以上で、日本は 515 社(2026 年 1〜2 月・同白書 付注)
- 業務類型では「議事録・メール作成補助」での活用が約 7 割と最も高く、効果を実感すると答えた割合も約 7 割(同)
業務で生成 AI を使う企業は何割か — 86.4% が数えている範囲
白書が「自社の何らかの業務で生成AIを利用している」と数えた企業は、日本で 86.4% でした。
白書の本文は「上記(1)の生成AIの活用方針に関する設問で『わからない』と回答した対象を除き、生成AIの活用状況を尋ねたところ、自社の何らかの業務で生成AIを利用している旨を回答した割合は、日本において86.4%であった」と書いています(出典:「令和8年版 情報通信白書」(総務省)第Ⅰ部第2章第1節(3)2026年9月25日確認)。
本記事では、この「業務で生成AIを利用している割合」を業務活用率と呼びます。調査は白書が「2025年度企業向け調査」と呼ぶインターネットアンケートです。
調査条件で押さえるのは 2 点です。1 つは回答者で、付注では「企業全体の戦略等を理解する管理職以上の役職」から抽出したとされています(同 付注)。
もう 1 つは母数で、86.4% の分母は日本 477 社です(同 概要資料の同じ図の n)。
その活用方針の設問では、「積極的に活用する方針である」と「活用する領域を限定して利用する方針である」の合計が 68.9% でした。前年度の 2024 年度企業向け調査では 49.7% です(同 第Ⅰ部第2章第1節(1))。
では、同じ設問を他の国に聞くと、日本の値はどこに来るのでしょうか。
日米独中で比べると — 日本は 4 か国でいちばん低い
2025 年度企業向け調査の同じ設問では、米国 90.9%、ドイツ 91.6%、中国 98.1% で、日本の 86.4% は日米独中の 4 か国のなかで最も低い値です。母数は日本 477 社、米国・ドイツ・中国が各 308 社です(同 概要資料)。
白書はこの結果を「2024年度企業向け調査に比べて大幅に上昇し、今回調査した他の3か国との差も縮まる結果となった」と評価しています。
同じ図の右側には、「(参考)2024年度企業向け調査」として日本の 55.2% が並んでいます。本記事はこの値を白書の表記どおり参考として扱い、差を何ポイントとは書きません。
業務類型ごとに他の 3 か国と比べると、日本は全体的に「未導入」や「わからない」の回答が多かったと白書は書いています。米国や中国では、特に「研究・商品開発」で効果を実感する割合が高い傾向も挙げています。
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では、業務の種類で分けると、活用はどの業務で起きているのでしょうか。
どの業務で使われているか — 議事録・メールが約 7 割
業務類型ごとに見ると、「議事録・メール作成補助」での活用が約 7 割で最も高く、「営業・販売」が約 6 割、「社内ヘルプデスク」が約 5 割でした(同)。
白書の CSV から、活用の割合が高い 5 つの類型について業務別の内訳を並べると次のとおりです。
| 業務類型 | 活用している(3 区分の計) | 効果を感じる |
|---|---|---|
| 議事録・メール作成補助 | 71.2% | 72.3% |
| 営業・販売 | 59.6% | 37.5% |
| 社内ヘルプデスク | 50.9% | 42.7% |
| 社内システム開発・運用 | 50.4% | 26.3% |
| 研究・商品開発 | 49.8% | 39.1% |
活用している = 「業務プロセスがAI中心に変更されている」「部署内の特定業務で活用している」「従業員が個人作業の効率化で活用している」の合計で、当社が同白書 図表Ⅰ-2-1-7 の CSV から加算しました(日本・2025 年度企業向け調査)。効果を感じる割合は、3 区分のいずれかを選んだ場合にだけ尋ねた白書の別の集計です。
効果を実感すると回答した割合は「議事録・メール作成補助」が 72.3% で、白書は他の類型より「顕著に高い」としています。ほかの類型は、社内ヘルプデスクの 42.7% が最も高い値でした。
活用の中身にも偏りがあります。「業務プロセスがAI中心に変更されている」は、最も高い社内ヘルプデスクでも 11.9% です。
議事録・メールでは「従業員が個人作業の効率化で活用している」が 35.2% で、3 区分のうち最大でした。どの類型でも「活用している」の中心は個人の効率化と部署内の特定業務で、業務プロセスを AI 中心に変えたという回答は 11.9% 以下にとどまると当社は読んでいます。
ここまでは、社内で AI をどう使っているかの数字です。ここから先は、社外の人が AI に聞いたときの話に移ります。
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個人の利用率と、検索の代わりに使う人の割合
社内での活用と、社外の人が AI に聞くことは別の話
社内で生成 AI を使う企業が多くても、顧客や取引先が AI に自社のことを聞いたとき、どう答えられるかは、この調査からは分かりません。
たとえば「マーケティング・広報」での活用は、同じ 3 区分の計で 49.4% でした(当社の加算)。これは広報の担当者が社内で AI を使う割合で、AI の答えに自社の名前が出る割合ではありません。
白書の設問が尋ねているのは、自社の業務で使っているかどうかです。顧客が AI で情報を探す場面は、設問の外にあります。
個人の側でどれだけ生成 AI が使われているかは、母集団の違う別の調査として生成AIの利用率は何%?検索の代わりに使う人の割合を整理で扱っています。
売上上位の企業に絞った別の企業調査は、AIO対策会社の選び方で紹介しています。社外からの見え方を何で測るかの全体像はAIO・LLMO・GEOとは|違いと、先に測るものの完全ガイドにあります。
ChatGPT に聞いて自社が出てこなかったときに何から見るかは、ChatGPTに自社が出てこない|最初に確認すべき3つのことにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 86.4% は日本企業全体の数字ですか?
いいえ。2025 年までにデジタル化の取組を始めた従業員 10 名以上の企業の管理職以上が答え、活用方針の設問で「わからない」と答えた回答を除いた 477 社の割合です。
Q2. 前年度から大きく上がったのはなぜですか?
白書は「大幅に上昇」と評価していますが、理由は書いていません。前年度の 55.2% は、白書が「(参考)2024年度企業向け調査」として並べた値です。
まとめ: 次にやること
- 白書の 86.4% には、回答者の条件と「わからない」除外の 2 点を添えて資料に載せる
- 自社での使い道を、白書の業務類型に当てはめて並べる
- ChatGPT と Gemini に顧客の立場で自社の分野を 5 本ほど聞き、答えに自社が出たかを残す
社内の業務活用率は白書で読め、社外から AI で見た自社は自分で控えます。
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※ 本記事の数値は総務省「令和8年版 情報通信白書」の企業調査で、当社の実測値ではありません。図 1 点と表 1 枚は、同白書の図表Ⅰ-2-1-6・Ⅰ-2-1-7 の数値をもとに当社が作成しました(表の「3 区分の計」は当社の加算)。出典:「令和8年版 情報通信白書」(総務省・CC BY 4.0)より当社作成 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121130.html (2026年9月25日に利用)。
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