← AIO研究ブログ決定版ガイド

AIが自社の間違った情報・古い情報を答える原因と直し方|反映の確かめ方まで

公開日: 2026-08-03#AI検索 #誤情報 #ハルシネーション #AIO #LLMO

AIが自社の間違った情報・古い情報を答える原因と直し方|反映の確かめ方まで
この記事でわかること
- ChatGPT や Gemini が自社の古い情報・間違った情報を答える 3 つの原因
- 誤りが「学習データ由来」か「検索引用由来」かを引用元リンクで見分ける方法
- 情報源を整える 4 つの実務と、OpenAI・Google の公式ドキュメントが示す前提条件
- 修正が AI の回答に反映されたかを定点計測で確かめる手順

結論: AIの回答そのものは直せない。直すのは情報源、確かめるのは再計測

ChatGPT や Gemini が答える自社情報の誤りは、AI の回答を直接編集して直すことはできず、AI が参照する情報源(自社サイト・外部の掲載・学習データの元になった記述)を整えることでしか変えられません。しかも反映には時間差があります。Google はページ変更の処理について、再クロールに数日から数か月かかる場合があると説明しています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」最終更新2025年12月31日2026年8月3日取得)

さらに、直った状態が続く保証もありません。Ahrefs の調査では、ChatGPT の引用ドメイン 1 位だった Reddit(228,388 引用)が半年後の再集計でトップ 5 から消えるなど、AI の参照先自体が短期間で入れ替わることが確認されています(詳細は後述)。この記事では、誤りが生まれる仕組みを一次出典で整理し、情報源を整える実務と、「直ったかどうか」を計測で確かめる手順までをまとめます。なお、ネガティブな口コミ・評判への対応(いわゆる風評対策)は本記事の対象外です。扱うのは事実の誤りと情報の古さに限ります。


1. なぜAIは自社について間違った情報を答えるのか

主因は、①学習データの期限切れと不足、②参照した情報源の古さ・不統一、③足りない情報を「もっともらしく」補完するハルシネーションの 3 つです。ハルシネーションとは、AI が事実でない内容を、もっともらしい形で自信を持って生成してしまう現象を指します。

OpenAI は 2025 年 9 月の研究発表で、ハルシネーションを「もっともらしいが誤った記述(plausible but false statements)」と定義し、標準的な訓練・評価の仕組みが「分からない」と答えるより推測することを優遇するために生じると説明しました。同発表では、論文著者の博士論文タイトルや誕生日を尋ねたところ、広く使われるチャットボットがそれぞれ 3 つの異なる誤答を自信を持って返した例が示されています。誕生日のような出現頻度の低い事実は、次の単語を予測する学習の仕組みだけでは原理的に当てられない、という分析です(OpenAI「Why language models hallucinate」2025年9月5日2026年8月3日取得・英語)

企業の住所・代表者名・サービスの提供状況は、まさにこの「出現頻度の低い事実」の集まりでしょう。Web 上の記述が少なければ AI は推測で空白を埋めやすくなり、記述が古いまま残っていれば、学習データの収集時点の状態が現在の事実として語られます。複数の掲載先で内容が食い違っていれば、どれが正しいかを AI の側で判定する材料もありません。


2. その誤りは「学習データ由来」か「検索引用由来」か — 引用元リンクで見分ける

対処の第一歩は、誤った回答に引用元(出典リンク)が付いているかを確認し、誤りの経路を切り分けることです。現在の AI 検索は、モデルが記憶した学習データに加えて、回答時に Web を検索して引用を付ける仕組みを併用しているためです。

OpenAI のヘルプセンターは、ChatGPT の検索機能がインライン引用や「ソース」パネルで引用元を提示すると説明しています(OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT Search」2026年8月3日取得)。Google も、AI による概要(AI Overviews)と AI モードが「クエリ ファンアウト」という手法で複数の関連検索を実行し、裏付けとなるウェブページを特定して回答を組み立てると公式ドキュメントに記載しています(出典: 前掲 Google「AI 機能とウェブサイト」)。つまり同じ誤りでも、直す対象が経路によって変わります。

経路見分け方直す対象
検索引用由来回答に引用元リンクが付いている引用されたページの記述(自社ページ or 外部掲載)
学習データ由来引用元がなく、情報だけが語られる公式情報の発信と一貫化(反映はモデル・参照データの更新待ち)

言及の3状態の図解。●引用あり=回答に登場し引用元URLも示されている、◐引用なし言及=名前は出るが引用元URLがない、○不言及=そもそも名前が出てこない

この「引用元があるか・ないか」の区別は、AI 言及の 3 状態(● 引用あり/◐ 引用なし/○ 不言及)の読み方と同じ構造です(詳細はAI言及の3状態とはで解説しています)。引用元のない ◐ の状態で語られる誤りは学習データ由来である可能性が高く、情報源を直しても反映までの時間差が大きい領域だと考えられます。


3. 直し方 — AIが参照する情報源を整える4つの実務

自社で打てる手は、公式情報の最新化・組織情報の構造化データ・外部掲載の修正依頼・クローラーのアクセス許可確認の 4 つに集約されます。どれも地道ですが、AI が参照する材料そのものを正すという意味で、経路を問わず共通の土台になります。

第一に、公式サイトの会社情報・サービス情報を最新の状態に揃えます。Google は AI 機能への表示条件について、ページがインデックスに登録され検索の技術要件を満たしていれば「これ以外に追加の技術要件はありません」と明記しています(出典: 前掲 Google「AI 機能とウェブサイト」)。AI 向けの特別な設定より先に、正しい情報がクロール可能な形で存在することが前提です。

第二に、組織情報を構造化データで明示します。Google は Organization 構造化データをホームページ等に追加すると「組織の管理情報の詳細を把握して、検索結果で組織を明確化できる」とし、組織とそれ以外を識別するために使われるプロパティがあることも記載しています。名称・住所・ロゴ・sameAs(公式 SNS 等)を可能な限り多く記述する形が推奨されており、同名の別会社と区別される材料になります(Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」最終更新2026年4月17日2026年8月3日取得)

第三に、外部サイトに残る古い掲載の修正を依頼します。移転前の住所や終了したサービスが残る外部ページは、検索引用由来の誤りの直接の供給源です。掲載元への修正依頼と並行して、自社で管理できる媒体(プレスリリース・各種プロフィール)の表記を統一し、食い違いを減らしていきます。

第四に、AI クローラーのアクセスを確認します。OpenAI はヘルプセンターで、ChatGPT の検索結果に掲載されるには OAI-Searchbot によるクロールを許可し、ホスト側が公開 IP アドレスからのアクセスを遮断していないことが重要だとし、同時に上位表示を保証する方法はないとも明記しています(出典: 前掲 OpenAI「ChatGPT Search」)。正しい最新情報を公開しても、クローラーを遮断していれば検索引用の経路には乗りません。


4. 直してもすぐには変わらない — 反映の時間差と引用元の入れ替わり

情報源を整えても AI の回答が変わるまでには時間差があり、しかも変わった後の状態も固定されません。反映を待つ期間と、反映後の変動の両方を前提に置く必要があります。

時間差について、Google は設定変更の処理を例に、ページの更新頻度は Google 側のシステムが判断し、クロールには数日から数か月かかる場合があると説明しています(出典: 前掲 Google「AI 機能とウェブサイト」)。学習データ由来の誤りはさらに長く、モデルや参照データの更新を待つことになるため、反映時期を外部から約束することはできません。

変動について、Ahrefs が 2026 年 4 月に公開した調査では、2025 年 10 月時点で ChatGPT の引用ドメイン 1 位だった Reddit(228,388 引用)と、Perplexity で 1 位だった Yahoo!知恵袋(518,977 引用)が、半年後の再集計でいずれもトップ 5 から消えていました。同調査は「今 AI に引用されている状態が永続するとは限らない」と指摘しています(Ahrefs(PR TIMES 配信)「【Ahrefs 調査|6 ヶ月で変動した AI の情報源】ChatGPT・AI モード・AI による概要・Perplexity・Copilot が引用するドメイン最新ランキング」2026年4月2日2026年8月3日取得)。引用元の顔ぶれ自体が入れ替わる以上、修正が反映されたかどうかも、反映後に誤りが再発していないかも、一度の確認では判定できないということです。

※本節で引用した数値は外部調査会社(Ahrefs)による分析であり、当社の実測値ではありません。調査手法・対象・期間により数値は変動します。

5. 「直ったか」は再計測でしか確認できない

修正の効果は、同じ質問を同じ条件で AI に投げ続け、回答の変化を記録する定点計測でしか確認できません。1 回の確認で正しい回答が出ても、経路・時期・エンジンが変われば誤りが再発し得るためです。記録する項目は次の 4 つで足ります。

  • 質問文(自社名・サービス名を含む想定質問。毎回同じ文言で)
  • エンジンと日付(ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI による概要)
  • 回答の要旨と誤りの有無(何が・どう間違っていたか)
  • 引用元の有無と URL(経路の判定材料)

手動でも今日から始められますが、エンジン数 × 質問数 × 頻度の掛け算で作業量が膨らみ、回答の揺らぎを拾うには試行回数も必要になります。手動計測の具体的な手順と限界はAI検索の可視性を計測する方法に整理しました。

弊社の エリスグリ AIO は、AI Overviews・ChatGPT・Gemini・Perplexity の 4 エンジンを週次で計測し、回答を言及 3 状態(● 引用あり/◐ 引用なし/○ 不言及)で記録する日本特化の GEO/AIO 計測ツールです。誤情報の定点確認だけでなく、「そもそも自社が出てこない」問題(ChatGPTに自社が出てこない原因と対策)まで、現在地の記録を土台に改善を進められます。カテゴリ全体の見取り図はAIO・GEOとは?AI検索対策の始め方がわかる完全ガイドにまとめています。現在地だけ先に知りたい場合は、サイトの URL を入れるだけの無料AI検索診断(5 つの質問)から試せます。

現在プレローンチ段階のため、導入実績・お客様の声はまだご紹介できません。ベータ招待の準備を進めています。

まとめ

  • AI の回答は直接編集できない。直すのは AI が参照する情報源
  • 誤りには学習データ由来と検索引用由来の 2 経路があり、引用元リンクの有無で見分ける
  • 打ち手は公式情報の最新化・Organization 構造化データ・外部掲載の修正依頼・クローラー許可確認の 4 つ
  • 反映には時間差がある(Google はクロールに数日から数か月かかる場合があると説明)。引用元の顔ぶれも半年で入れ替わり得る(Ahrefs 調査)
  • 修正が効いたかは、同一質問の定点計測で確認する

次のステップ

  • ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google の AI による概要に、自社名で同じ質問を投げ、回答と引用元を記録する
  • 誤りが見つかったら、引用元リンクの有無で経路(検索引用由来か学習データ由来か)を切り分ける
  • 公式サイトの会社情報・構造化データ・外部掲載・クローラー許可の 4 点を整える
  • 同じ質問を定期的に再計測し、修正の反映と再発の有無を確認する(エリスグリ AIO の無料AI検索診断も入口の一つです)

よくある質問(FAQ)

Q1. AIに「その情報は間違っている」と伝えれば直りますか?

その会話の中では言い直されることがありますが、別の利用者が同じ質問をしたときの回答まで直る保証はありません。AI 検索は質問のたびに学習データと参照情報から回答を組み立てるため、参照元が誤ったままでは同じ誤りが繰り返される可能性が高いと考えられます。根本の対処は、AI が参照する情報源の側を直すことです。

Q2. 修正した情報はどのくらいでAIの回答に反映されますか?

一律の期間は示せません。Google は再クロールについて数日から数か月かかる場合があると説明しており、学習データ由来の情報はモデルや参照データの更新を待つ必要があります。反映時期を約束するのではなく、定点計測で変化を確認する運用が現実的です。

Q3. 自社についての誤情報に気づくにはどうすればよいですか?

自社名・主要サービス名で複数の AI に同じ質問を定期的に投げ、回答と引用元を記録する方法が基本です。「何が・いつから・どのエンジンで」間違っているかを記録しておくと、直す先の特定と修正後の比較が速くなります。週次など頻度を決めた計測に載せると、気づきの遅れを防げます。

Q4. ネガティブな口コミや評判への対応も同じ方法で直せますか?

本記事の対象は事実の誤りと情報の古さで、評判・口コミへの対応は別の領域です。事実に反する記述は掲載元への修正依頼で対処し得ますが、評価や感想そのものは修正依頼の対象になりにくく、対応の考え方も異なります。本記事ではその領域は扱っていません。