プレスリリースはAIに引用されるのか?国内外3調査のデータで整理
公開日: 2026-08-08#プレスリリース #AI検索 #引用 #GEO #広報

要約
- ChatGPT の引用ドメインで prtimes.jp は 2 位(95,655 回)(Ahrefs Brand Radar・2026 年 4 月公表、IDEATECH 紹介)。プレスリリースは AI 検索の引用元として実際に存在感がある
- ただし引用されるのは主に配信プラットフォーム上の原本 URL。Yahoo・MSN など転載先の引用率は 0.32% に留まる(BuzzStream・400 万引用の分析)
- 国内の実測では、回答の 15.05% に少なくとも 1 件のリリース引用が含まれる一方、回答本文で自然に言及されるのは 0.63% と約 24 倍の差(Optyino.ai 調査・2026 年 7 月)
- 広報の現場では「AI 引用を意識する」52.1% に対し「測定している」は 2.4%(IDEATECH・2026 年 4 月)。配信後に引用を確認する運用が次の一歩
プレスリリースは AI に引用されるのか?【結論】
プレスリリースは、日本語の AI 検索において引用されやすいコンテンツ形式のひとつです。ただし「配信すれば引用される」わけではなく、引用されるのは主に配信プラットフォーム上の原本ページで、エンジンによる差も大きい、というのがデータから言える結論です。
この記事では、国内外の 3 つの調査データを突き合わせて、①どれくらい引用されているのか ②「転載されたのに引用されない」のはなぜか ③エンジンごとの期待値の差 ④自社のリリースが引用されたかを確認する方法、の順に整理します。いずれも外部調査の引用であり、各節に出典と調査時点を明記します。
ChatGPT の引用ドメイン 2 位は PR TIMES(国内データ①)
Ahrefs が 2026 年 4 月に公表したデータでは、2025 年 12 月〜2026 年 3 月の ChatGPT 引用ドメインランキングで PR TIMES が 2 位に入りました。1 位は Ameblo(103,459 回)、2 位が PR TIMES(95,655 回)、3 位が英語版 Wikipedia(71,950 回)、4 位が楽天市場(53,147 回)、5 位が note(52,679 回)という順です(Ahrefs Brand Radar・2026 年 4 月公表データ。株式会社IDEATECH「PR TIMESはなぜAIに拾われるのか」2026 年 5 月 21 日での紹介による二段出典)。
企業が発信するコンテンツの中で、プレスリリースの配信プラットフォームがこの規模で引用されているのは特筆に値します。理由として繰り返し指摘されるのは、リリースが日付・数値・固有名詞の揃った一次情報であり、AI が回答の根拠として扱いやすい形式だという点です。日本語の AI 引用元ドメインの全体像は、国内の AI 引用元ドメインの記事で別途整理しています。
※本節の数値は外部調査(Ahrefs のデータを IDEATECH が紹介したもの)であり、当社の実測値ではありません。調査手法・対象・期間により数値は変動します。
回答の 15% にリリース引用、ただし本文言及は 24 分の 1(国内データ②)
国内の AI 回答ログ 81,895 件を分析した Optyino.ai の調査(2026 年 7 月 11 日公表)では、少なくとも 1 件のプレスリリースを引用した回答が全体の 15.05% を占めました。一方、引用 URL 全体に占めるプレスリリース URL の割合は 2.20% で、そのうち 60.5% を PR TIMES(prtimes.jp)が占めています(Optyino.ai(株式会社Wallabee)「生成AIが引用するプレスリリースの60.5%はPR TIMES?」・2026 年 7 月 11 日公表・2026-08-08 確認)。
この調査で示唆的なのは、「出典リストに載る」と「回答本文で言及される」の差です。回答本文中に自然文のリンクとして登場するプレスリリースは 0.63% に留まり、出典リスト掲載(15.05%)とは約 24 倍の開きがありました(同調査)。出典欄に URL が並ぶことと、AI が回答の中で自社の内容を語ることは、別の現象として起きています。この「引用のされ方の質」の違いは、当社が計測の軸にしている言及 3 状態(引用あり・引用なし・不言及)の記事の考え方とも重なります。
※本節の数値は Optyino.ai による外部調査(同社サービスのログ分析)であり、当社の実測値ではありません。
転載先のリリースはほぼ引用されない(海外データとパラドックス解消)
「PR TIMES が引用ドメイン 2 位」という国内データと、「プレスリリースの引用率はごくわずか」という海外データは、一見矛盾しますが両立します。BuzzStream と Citation Labs が約 400 万件の AI 引用を分析した調査(2026 年 3 月公表)では、Yahoo・MSN などのニュースチャネルに転載されたプレスリリースの引用は、ニュース系引用の 0.32%・データセット全体の 0.04% に留まりました。PRNewswire などのニュースワイヤー自体の引用も全体の 0.21% です。一方で ChatGPT に限ると、企業の自社ニュースルーム・自社リリースページは引用の 18.15% を占めています(BuzzStream × Citation Labs「The Role of News Publications in AI Citations」・2026 年 3 月 9 日公開・2026-08-08 確認)。
つまり、AI に引用されているのは「リリースという情報」ではなく「リリースの原本が載っている URL」です。国内では PR TIMES のような配信プラットフォームの原本ページが、海外では自社ニュースルームが引用され、転載先はどちらでもほぼ引用されない、という構造で 2 つのデータは整合します。「◯◯媒体に転載されました」という配信実績の数字と、AI 引用の獲得は別物として見る必要があります。
※本節の数値は BuzzStream らによる外部調査(英語圏中心・ChatGPT/AI Mode/AI Overviews/Gemini 対象)であり、当社の実測値ではありません。日本語環境の傾向は国内調査(前節)と併せて解釈してください。
エンジンによって期待値がまったく違う
プレスリリースを引用する度合いは、AI エンジンごとに 10 倍以上の開きがあります。前出の Optyino.ai 調査のモデル別データでは、プレスリリースを 1 件以上引用した回答の割合は ChatGPT(GPT-5 mini)42.84%・Perplexity 21.45%・Google AI モード 20.68%・AI Overview 12.81%・Gemini 9.60%・Copilot 2.90% と、エンジンによって大きく異なります(同調査・2026 年 7 月時点)。
実務上の含意はシンプルで、単一のエンジンだけを見て「リリースは引用される/されない」と結論づけると誤るということです。ChatGPT で引用されていても Gemini では出てこない、という状態は普通に起こります。参考までに、当社の 22 業種横断の実測でもエンジン別の引用密度には桁の差があり(Perplexity 9.4 件/回答〜Gemini 0.6 件/回答)、エンジン間の性格の違いは引用行動全般に見られる傾向です(弊社実測・2026 年 7 月時点。詳細はエンジン別の AI 引用実測データの記事)。
配信したリリースが引用されたかを確認するには
広報の現場では「生成 AI の回答に自社情報が引用されることを意識している」が 52.1% に達する一方、成果指標として言及状況を測定しているのは 2.4% に留まります(株式会社IDEATECH「リサピー」調べ「調査PR未経験者編:LLMO時代の調査PRに関する実態調査」・広報/PR 担当 207 名・2026 年 4 月 30 日公表)。意識と測定の間に大きなギャップがあるのが現在地です。
手動で確認するなら、配信から数日〜数週間おいて、ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI Overviews のそれぞれに「リリースの主題に関する質問」(製品カテゴリ名や発表内容の周辺クエリ)を投げ、出典リストと回答本文の両方をチェックします。見るポイントは 3 つです。
- 出典リストに原本 URL(配信プラットフォーム or 自社サイト)が載ったか — 転載先ではなく原本が拾われているか
- 回答本文で社名・製品名が語られたか — 出典掲載と本文言及は別(前述の 24 倍差)
- エンジンごとの差 — 1 つのエンジンの結果で全体を判断しない
ただし手動確認は、聞き方による回答の揺れと作業量の壁があり、リリース配信のたびに 4 エンジン × 複数クエリを回すのは現実的ではありません。定点で追うなら計測の仕組み化が前提になります。手動計測の限界と定点計測の設計はAI検索の可視性を計測する方法の記事に、計測から改善までの全体像はAIO・GEO の完全ガイドにまとめています。
まとめ: リリースは「配信して終わり」から「引用を確認する」へ
- プレスリリースは日本語 AI 検索で引用実績のあるコンテンツ形式(ChatGPT 引用ドメイン 2 位 = prtimes.jp・95,655 回)
- 引用されるのは配信プラットフォームの原本 URL や自社ニュースルームで、転載先はほぼ引用されない(0.32%)。転載数と AI 引用は別の指標
- 出典リスト掲載と回答本文での言及には約 24 倍の差。「引用のされ方の質」まで見る
- エンジン別の引用傾向は 10 倍以上異なる。単一エンジンでの判定は誤る
- 意識 52.1% に対し測定 2.4%。配信後に 4 エンジンで引用を確認する運用が、広報の次の標準になりつつある
よくある質問
Q1. プレスリリースを配信すれば AI に引用されますか?
保証されません。国内実測では回答の 15.05% に何らかのリリース引用が含まれる一方、引用 URL 全体に占めるリリースの割合は 2.20% です(Optyino.ai・2026 年 7 月)。引用の有無はテーマ・クエリ・エンジンに依存するため、配信後に実際の回答を確認して判断するのが確実です。
Q2. 転載記事が増えれば AI 引用も増えますか?
データ上はそうなっていません。Yahoo・MSN など転載先のリリース引用はニュース系引用の 0.32% に留まります(BuzzStream・2026 年 3 月)。AI が拾うのは原本 URL 側なので、転載数は露出の指標としては意味があっても、AI 引用の指標としては別物です。
Q3. どのエンジンを見て効果を判断すればいいですか?
単一エンジンでの判断は避けてください。リリースを 1 件以上引用した回答の割合は ChatGPT 42.84% に対し Gemini 9.60%・Copilot 2.90% と大差があります(Optyino.ai・2026 年 7 月)。少なくとも ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI Overviews の複数エンジンで、出典リストと本文言及の両方を確認するのが安全です。
Q4. 引用されたかどうかはどうやって継続的に追えばいいですか?
配信直後の手動確認(各エンジンに周辺クエリを投げて出典と本文を見る)から始められますが、継続するには計測の仕組み化が必要です。エリスグリ AIO は ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI Overviews の 4 エンジンで自社ブランドの引用・言及を週次で定点計測し、引用あり・引用なし・不言及の 3 状態で推移を追えます。
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※ 本記事の引用ドメイン・引用率等の数値は Ahrefs(IDEATECH 紹介)・Optyino.ai・BuzzStream・IDEATECH による外部調査であり、当社の実測値ではありません(エンジン別引用密度のみ当社実測・2026 年 7 月時点)。各数値は調査時点のものです。