ECモールはAIに引用される?楽天・Amazonのデータと確認方法
公開日: 最終更新日: #ECモール #楽天市場 #Amazon #AI検索 #引用 #AIO

要約
- Ahrefs の 2025 年 10 月版調査で、楽天市場は ChatGPT の引用元 6 位(91,797 件)、Amazon は AI モード 5 位(26,326 件)。EC モールは日本の AI 検索の主要な引用元に入っている
- 2026 年 6 月版では楽天(商品ページ)が総合 9 位に新規ランクインする一方、Amazon は総合圏外へ(前回 6 位)。ただしエンジン別では Amazon も AI Overviews 5 位・Copilot 7 位に健在で、「圏外 = 引用されない」ではない
- エンジンによって使うモールが違う: ChatGPT は楽天、Google 系と Copilot は Amazon に偏る
- 別の外部調査(28 万件の引用 URL 分析)では、EC として引用された URL の約半分が自社公式 EC で、EC モールの約 1.8 倍。モール出店だけで AI 経由の見え方が決まるわけではない
ECモール(楽天市場・Amazon)はAIにどれだけ引用されているのか【2 つの調査データ】
楽天市場・Amazon などの EC モールは、日本の AI 検索で主要な引用元のひとつです。ただし「どれだけ」の答えは、調査の設計によって見え方が変わります。本記事では設計の異なる 2 つの外部調査を、混ぜずに並べて整理します。
| 調査 | 設計 | EC モールに関する要点 |
|---|---|---|
| Ahrefs(2025 年 10 月版・2026 年 6 月版) | エンジン別の引用元ドメインランキング(TOP10) | 楽天市場は ChatGPT 6 位・91,797 件(2025 年 10 月版)。2026 年 6 月版では楽天(商品ページ)が総合 9 位に新規イン、Amazon は総合圏外へ |
| 株式会社Wallabee/Optyino.ai(2026 年 7 月公表) | 購入関連プロンプト 40 件 × 8 モデルの累積ログ(AI 回答 32,280 件・引用 URL 280,091 件) | EC として引用された URL のうち公式 EC 50.14%・EC モール 28.22%(約 1.8 倍差) |
実数が公表されているのは Ahrefs の 2025 年 10 月版のみで、ChatGPT の引用元 6 位に楽天市場 91,797 件、9 位に Amazon 45,083 件、10 位に楽天の検索ページ 33,735 件が入っていました(Ahrefs「AI検索が引用する情報源トップ10を徹底比較(日本版)」2025-10-22 公開・2026-08-15 確認。調査期間はエンジンにより 2025 年 5〜9 月)。2026 年 6 月版は順位のみの公表のため、本記事では時点と実数の有無を分けて記載します。
総合ランキングで楽天がイン、Amazon がアウト — それでも「圏外 = 引用されない」ではない
2026 年 6 月版の総合 TOP10 では、楽天市場の商品ページ(item.rakuten.co.jp)が 9 位に新規ランクインし、Amazon(www.amazon.co.jp)は前回 6 位から圏外に消えました(Ahrefs「日本で AI が引用するドメイン最新ランキング 2026 年 6 月版」2026-06-24 公開・2026-08-15 確認)。同版では Instagram(前回 4 位)なども圏外に落ちており、Ahrefs はこのリリースで、わずか 2 ヶ月で総合 TOP10 のうち 4 ドメインが入れ替わったことを挙げて定点観測の重要性を指摘しています(Ahrefs・PR TIMES 配信 2026-07-02 公開・2026-08-15 確認)。
ここで読み方に注意が要ります。「圏外」は TOP10 という掲載範囲の外に出たという意味で、引用されなくなったという意味ではありません。実際、同じ 2026 年 6 月版のエンジン別ランキングでは、Amazon は AI Overviews 5 位(前回から不動)・AI モード 6 位・Copilot 7 位に入り続けています(前掲 Ahrefs 2026 年 6 月版)。総合 1 枚の順位だけでモールの価値を判断すると、エンジン別の実態を見誤ります。引用元の入れ替わり全般は日本の AI 引用元ドメインの記事で、半年で 1 位から圏外まで動いた知恵袋の実例はYahoo!知恵袋の AI 引用の記事で整理しています。
※本節の順位・件数は Ahrefs 社による外部調査であり、弊社の実測値ではありません。
エンジンによって「使うモール」が違う — ChatGPT は楽天、Google 系と Copilot は Amazon
エンジン別に並べると、ChatGPT は楽天市場、Google 系(AI Overviews・AI モード)と Copilot は Amazon という偏りがはっきり見えます。2026 年 6 月版では、ChatGPT の 6 位が楽天の商品ページ(item.rakuten.co.jp)、Perplexity の 6 位が楽天の検索ページ(search.rakuten.co.jp)で 9 位に Yahoo!ショッピング、対して AI モード 6 位・AI Overviews 5 位・Copilot 7 位はいずれも Amazon です(前掲 Ahrefs 2026 年 6 月版)。実数のある 2025 年 10 月版でも、ChatGPT は楽天市場 91,797 件が Amazon 45,083 件の約 2 倍、AI モードでは Amazon 26,326 件が最上位のモールで、Copilot の TOP10 にはモール本体が入っていませんでした(前掲 Ahrefs 2025 年 10 月版)。
もうひとつ、同じ楽天でもエンジンによって引かれるページの種類が違う点は見落とされがちです。ChatGPT が引くのは商品ページ(item)、Perplexity が引くのは検索結果ページ(search)と、サブドメイン単位で割れています。「どの AI での話か」を分けずに EC モールの AI 引用を語ると、この構造が見えなくなります。
モールより公式 EC が引用される — 28 万件の引用 URL 分析
購入関連の質問に限った別の調査では、EC として引用された URL の約半分が自社公式 EC サイトで、EC モールの約 1.8 倍でした。株式会社Wallabee/Optyino.ai が 2026 年 7 月に公表した分析によると、8 つの AI モデルへの購入関連プロンプトで得た引用 URL 280,091 件のうち EC 関連は 86,729 件(30.96%)で、その内訳は公式 EC サイト 50.14%・EC モール 28.22%・商品ページ直リンク 21.64% でした(株式会社Wallabee/Optyino.ai「ECサイト引用率分析」2026-07-13 公開・2026-08-15 確認。調査期間 2025-09-06〜2026-07-08・AI 回答 32,280 件)。
モデル間の差も大きく、EC を含む回答の割合は Copilot 92.85% から ChatGPT 57.98% まで約 35 ポイント開きがあります。カテゴリ差はさらに極端で、型番・消耗品系では EC を含む回答が 95.35% に達する一方、ファッション・ギフト系では EC の URL 比率が 9.49% にとどまるカテゴリもありました(前掲 Optyino.ai)。この調査は購入関連の限定的なプロンプト設計によるもので、Ahrefs のドメインランキングとは設計がまったく異なるため、両者は並べて読むにとどめるのが正確です。それでも「モールに出ていれば AI 経由の可視性は足りる」という想定に反し、公式 EC のページが引用の受け皿として機能していることを示すデータと言えます。プレスリリース経由の引用を扱ったプレスリリースと AI 引用の記事は、同じ調査元の別分析を扱った姉妹編です。
「おすすめ」型の質問では第三極が主役になる
「◯◯ おすすめ」のような比較検討型の質問では、モールでも公式 EC でもなく、横断比較メディアが引用の主役になることがあります。弊社が 2026 年 7 月に 22 業種のテスト環境で実施した計測(4 エンジン・約 2,600 回・比較検討型の質問中心)では、EC 業態(化粧品 D2C)の引用元上位は my-best・oricon・価格.com などの横断比較メディアでした。「モールか公式 EC か」の二択の前に、質問の型によって引用のエコシステム自体が変わる、というのが実務での前提になります。
なお価格.com や my-best は商品を販売するモールではなく比較サイトのため、本記事の EC モールの集計とは区別しています(Optyino.ai の調査でも価格比較・ランキング記事は EC 集計から除外されています)。業種ごとの引用元の実測は業種別の AI 引用元データの記事にまとめています。
※本節の 22 業種の計測のみ弊社の実測値です。テスト環境での観測値であり、市場全体の統計ではありません。
「Rakuten AI」とは別の話 — 2 つの「楽天市場 × AI」を整理する
「楽天市場 AI」で調べると出てくる情報の多くは、楽天市場アプリ内の AI 機能「Rakuten AI」に関するもので、本記事のテーマとは別物です。Rakuten AI は、楽天グループが 2026 年 1 月に楽天市場のスマートフォンアプリへ搭載したエージェント型 AI で、対話・音声・画像の入力から約 5 億点の商品群をもとに提案を行うコンシェルジュ機能です(楽天グループ株式会社 プレスリリース 2026-01-05 公開・2026-08-15 確認)。
一方、本記事が扱ってきたのは「ChatGPT や Perplexity などの AI 検索が、回答の出典として楽天市場や Amazon のページを引用する」という現象です。前者はモールの中の購買体験の話、後者はモールの外にある AI があなたの商品カテゴリについて答えるときの話で、出店者にとっての意味がまったく異なります。本記事の論点は後者です。
モールに出店すれば AI に引用されるのか
出店と引用のあいだには距離があります。そして、引用を狙ってモールのレビューや口コミを操作することはおすすめしません。事業者が第三者を装って自社商品に有利なレビューを投稿したり、投稿を働きかけたりする行為は、景品表示法のステマ規制(2023 年 10 月施行)に抵触するおそれがあります。モールが AI の引用元上位に入っているからといって、そこでの評判を人工的に作る施策は取るべきではありません。
データが示すのは、モール出店が AI 経由の可視性を保証しないことです。総合ランキングでは楽天と Amazon の順位が 2 ヶ月単位で入れ替わり、購入関連の質問では公式 EC が引用の約半分を占め、比較検討型の質問では比較メディアが主役になります。できるのは、自社の商品カテゴリで AI が実際にどのページを出典にしているかを確かめ、モール・公式 EC・比較メディアのそれぞれでの見え方を把握しておくことです。AI に自社が出てこない場合の考え方はChatGPT に自社が出てこないときの記事で整理しています。
自社の商品が AI 検索でどう出ているかを確認する方法
手動で確認するなら、自社の商品カテゴリの質問を各エンジンに投げ、出典がモール出店ページ・自社公式 EC・比較メディアのどれかを記録します。手順は次のとおりです。
- 自社商品の質問を用意する(「◯◯ おすすめ」「◯◯ どこで買える」「◯◯(商品名)とは」の 3 型で 5〜10 本)
- ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI Overviews に同じ質問を投げ、回答本文と出典 URL を記録する
- 出典 URL を「モール出店ページ / 自社公式 EC / 比較メディア / その他」に分類し、質問 × エンジンの表にする
ただし手動確認には限界があります。AI の回答は毎回同じではなく、引用元の顔ぶれは 2 ヶ月単位で入れ替わるため、1 回のスナップショットでは「たまたま」と「傾向」を区別できません。エンジンごとの偏りも大きく、ChatGPT だけを見ると Amazon 側の見え方を見落とします。継続的に追うなら、自社ブランドの引用・言及を定点計測できる仕組みで週次の変化を記録し、モール・公式 EC・比較メディアの構成比の変化に気づける状態を作っておくのが現実的です。カテゴリ全体の考え方はAIO・GEO の完全ガイドにまとめています。
よくある質問
Q1. 楽天市場と Amazon は、AI 検索の引用元として何位ですか?
時点とエンジンによって変わります。Ahrefs の 2026 年 6 月版では、楽天の商品ページが総合 9 位(ChatGPT 6 位)、Amazon は総合圏外ながら AI Overviews 5 位・AI モード 6 位・Copilot 7 位でした。実数のある 2025 年 10 月版では ChatGPT で楽天市場 91,797 件・Amazon 45,083 件です。単一時点・単一エンジンの順位で固定的に判断しないことをおすすめします。
Q2. モール出店ページと自社公式 EC、どちらが AI に引用されやすいですか?
株式会社Wallabee/Optyino.ai の購入関連プロンプトの分析では、EC として引用された URL の 50.14% が公式 EC で、モール(28.22%)の約 1.8 倍でした。ただしこの調査は購入関連の質問に限った設計で、エンジン差・カテゴリ差も大きいため、自社のカテゴリでどちらが引用されているかは個別に確認するのが確実です。
Q3. 楽天や Amazon のレビューを増やせば AI に引用されますか?
レビューの自作自演や第三者への投稿の働きかけは、景品表示法のステマ規制に抵触するおそれがあり、おすすめしません。また、モールへの掲載やレビュー数と AI の引用のあいだに固定的な関係は確認されていません。まず自社カテゴリの質問で AI が何を出典にしているかを確かめるのが先です。
Q4. 食べログや Instagram など、ほかの媒体はどうですか?
媒体によって状況が大きく異なります。Instagram は Ahrefs の 2026 年 6 月版で総合ランキング圏外に落ちました(前回 4 位)。媒体類型ごとの整理は、Yahoo!知恵袋・YouTube・note など本シリーズの各記事で扱っています。
まとめ: モールの順位も入れ替わる。前提は自社カテゴリの定点計測
- EC モールは日本の AI 検索の主要な引用元。実数のある Ahrefs 2025 年 10 月版では ChatGPT で楽天市場 91,797 件・Amazon 45,083 件
- 2026 年 6 月版では楽天(商品ページ)が総合 9 位に新規イン、Amazon は総合圏外へ。ただしエンジン別では Amazon も AI Overviews 5 位・Copilot 7 位に健在で、「圏外 = 引用されない」ではない
- エンジンで使うモールが違う: ChatGPT は楽天、Google 系と Copilot は Amazon。同じ楽天でも商品ページと検索ページでサブドメインが割れる
- 購入関連の質問に限った外部調査では、公式 EC の引用がモールの約 1.8 倍。比較検討型の質問では横断比較メディアが主役になる(弊社実測の定性所見)
- レビュー操作はステマ規制リスクがあり不可。できるのは、自社カテゴリの質問で AI が何を出典にしているかの定点把握
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※ 本記事の引用順位・引用数・比率等の数値は Ahrefs 社・株式会社Wallabee(Optyino.ai)・楽天グループ株式会社による外部公表資料であり、当社の実測値ではありません(22 業種の計測のみ当社・2026 年 7 月時点)。各数値は調査時点・調査設計に依存します。