AI検索で競合の名前は出るのに自社が出ない|差を3つの層で測る
公開日: 2026-07-20 最終更新日: 2026-07-25#AI検索 #競合分析 #GEO #ブランド可視性 #LLMO

この記事でわかること
- 「競合は出るのに自社が出ない」差を 3 つの層(登場・引用・文脈)に分解する見方
- 競合が出る背景にある引用元構造(比較サイト・第三者媒体)の公開データ
- 自社と競合を同じ質問リスト・同じ 3 状態で並べて測る手順
- 手動計測で当たる壁と、ツールを検討するタイミング
結論: 「競合が出て自社が出ない」は、まず“同じ土俵”で並べて測る
ChatGPT に「◯◯(自社のカテゴリ)のおすすめは?」と聞いたら、競合の名前ばかりが並んで自社が出てこなかった。——この差に気づいて AI 検索を調べ始める方が増えています。
結論から言うと、「競合は出た/自社は出ない」を漠然と眺めるのをやめ、自社と競合を同じ質問リストで並べて記録するところから始めてください。競合が「引用付きで出ている」のか「名前だけ出ている」のか、どのエンジンで出ているのか。差の中身が分かって初めて、次の一手が具体的になります。
この記事では、いま何が起きているのかを公開データで整理し、自社と競合の差を今日から測る手順までを解説します。数字を引用する箇所はすべて出典(発行元・年月・URL)を明記しています。
1. 「競合は出るのに自社が出ない」は、実際に報告されている
この状況は、あなたの会社だけの話ではありません。採用の現場でも、同型の事例が報じられています。
ITmedia NEWS の記事では、ある企業でサマーインターンのエントリーが例年の半数に落ち込み、社内で振り返ったところ、前年の面接アンケートで「半数が LLM を利用して就活をしている」という結果が出ていた、という事例が紹介されています。そこで複数の LLM に自社が属する業界とおすすめ企業を尋ねてみたところ、自社がまったく出てこなかった——という話です。「おすすめ企業を尋ねる」とは、つまり同業(競合)を含めた候補リストを AI に作らせることにほかなりません。そのリストに自社が入っていなかった、というのがこの事例の核です。記事は、背景に広報費の削減があり、Web 上での露出が減っていたことが効いていたのではないか、と指摘しています。
出典: 久松剛「『ChatGPTにうちの会社が出てこない』──採用担当を悩ます"AI就活時代"の容赦なき実態」ITmedia NEWS, 2026年6月22日 (2026年7月19日取得)
購買の側でも、判断材料の集め方が変わりつつあります。BtoB 購買検討者の 62.9% が「企業サイトの代わりに生成 AI の要約を使うことがある」と回答したという調査結果があります。
出典: 株式会社IDEATECH「検索しない時代のBtoBマーケティング」2026年7月16日, PR TIMES > ※本節で引用した数値は外部の調査会社・事業者による調査であり、当社の実測値ではありません。調査手法・対象・期間により数値は変動します。
買い手や候補者が「おすすめは?」と AI に尋ねる場面で、そこに並ぶのが競合の名前だけなら、比較の土俵に自社が載っていないということになります。まず問題は「差がどこにあるか」を測ることです。
2. 「競合が出て自社が出ない」を分解する
競合と並べて 1 回聞いて差が出たからといって、「競合のほうが AI に強い」と一括りにするのは早計です。差は、少なくとも 3 つの層に分かれます。
| 差の層 | 見え方 | 意味 |
|---|---|---|
| 登場の有無 | 競合は名前が出る/自社は出てこない | まず候補に入っているかどうかの差。最も基本的な層 |
| 引用の有無 | 競合は引用元 URL 付きで出る/自社は名前だけ、または不在 | 「参照先として指名されているか」の差。ここは見落とされやすい |
| 文脈の差 | 競合は推奨の文脈で、自社は比較の当て馬で出る | 出ていても「どう扱われているか」の差 |
私たちは、自社側の見え方を 言及の 3 状態(● 引用あり/◐ 引用なし言及/○ 不言及)として整理しています(詳しくは言及の 3 状態の解説記事で扱っています)。競合を測るときも同じ枠組みが使えます。
- ● 引用あり: 回答に登場し、引用元 URL も示されている。どのページ・どの媒体が効いているかを追える
- ◐ 引用なし言及: 名前は出るが引用元 URL が示されていない。認知はされているが参照先が明確でない状態だと捉えています
- ○ 不言及: そもそも名前が出てこない
「競合は ● で自社は ○」なのか、「競合は ● で自社は ◐」なのかで、打ち手はまったく変わります。前者なら候補に入る手前の話、後者なら「認知はされているが参照先として指名されていない」差を埋める話です。ここを「競合に負けている」の一言で片づけると、埋めるべき差が見えなくなります。
さらに、名前が出ている場合でもどんな文脈で出ているかは別問題です。推奨として挙がっているのか、比較の一項目・当て馬として挙がっているのかで意味は違います。「含まれること」と「好意的に扱われること」は別、という論点です(この軸は「好意度」で扱われ方を測る記事で詳しく扱っています)。
3. なぜ競合が出て自社が出ないのか — 引用元の構造から考える
差の原因を断定することはできません(AI がどの情報をどう選ぶかの内部処理は公開されていないため、因果を断定する記述は本記事では避けます)。ただし、AI が何を引用元にしているかの公開データは存在し、そこから構造的な仮説は立てられます。
3-1. 競合は「比較の土俵」に載っているかもしれない
「おすすめは?」という質問に対して、AI は比較サイトやまとめ記事を参照することがあります。日本市場の引用元ドメインについて、次の調査が公開されています。
- 価格.com は「AIによる概要」「AIモード」の両システム共通の引用ドメインに入り、商品レビューサイト my-best.com も共通トップ 10 に入っていたという分析(Ahrefs 公式ブログ日本語版「【AIによる概要 vs AIモード】日本におけるトップ1000引用ドメイン分析」2025年11月18日)
比較サイトやレビューサイトに競合が掲載され、自社が載っていなければ、AI が候補を組み立てる材料の段階で差がついている可能性があります。まず確認すべきは「自社は、その分野の比較・まとめの土俵に載っているか」です。
3-2. AI は自社サイトだけを見ていない
引用元は比較サイトに限りません。第三者媒体が広く含まれることが、複数の調査で示されています。
- 国内の AI 引用元ドメイン推計シェアで、note が Wikipedia に次ぐ上位に入ったという調査結果(COOD株式会社, 2026年1月, PR TIMES) — 具体的な内訳(Wikipedia 28.4% / note 19.2%)は、同調査を引用した株式会社NEXER Group の分析記事で確認できます(2026年2月9日)
- ChatGPT の引用ドメインで prtimes.jp が 2 位・引用数 95,655 回という報告(Ahrefs Brand Radar 2026年4月公表データ。株式会社IDEATECH「PR TIMESはなぜAIに拾われるのか」2026年5月21日, PR TIMES で紹介)
※本節で引用した数値は外部の調査会社・事業者による調査であり、当社の実測値ではありません。調査手法・対象・期間により数値は変動します。
ここから言えるのは、競合との差は自社サイトの出来だけで決まっていない可能性があるということです。note・プレスリリース・比較サイト・Q&A サイト・Wikipedia に、競合と自社がそれぞれ何と書かれているかの総体が、AI の回答の材料になっていると考えられます。前掲の ITmedia の事例で「広報費の削減で Web 上での露出が減っていた」ことが背景として挙げられていたのも、この構造と整合します。
※ Q&A サイトや口コミへの自作自演の投稿は、ステマ規制(景品表示法の指定告示)に抵触するおそれがあります。見るべきは「どんな質問で自社の分野が聞かれているか」であり、投稿を作りにいくことではありません。また Wikipedia は、自己表示的な編集を中立性のガイドラインで禁じています。できるのは「第三者が書ける状態を作る」ことです。
3-3. エンジンによって競合の並びは違う
同じ質問でも、エンジンが変われば並ぶ顔ぶれは揃いません。前掲の Ahrefs 調査でも、Yahoo!知恵袋が「AIモード」の引用ドメインでは 87 位(9,173 回)に入る一方、「AIによる概要」ではトップ 1000 圏外という、プラットフォーム間の差が確認されています。
商品検索での AI 活用は ChatGPT が 51%、Gemini が 34% という調査もあります(Criteo 調査・日本を含む 6 カ国。ネットショップ担当者フォーラム(インプレス)2025年8月22日) 。買い手が使うエンジンは 1 つではありません。ChatGPT だけで「競合に負けている」と判断すると、別のエンジンでは逆かもしれない、という見落としが起きます。
4. 今日からできる、自社 vs 競合の測り方
ツールを入れる前に、まず手で測ってみることをおすすめします。最初の一歩としては十分に有効です(AIO・GEO の全体像と計測の進め方は、AIO・GEO の完全ガイドで整理しています)。ポイントは、自社だけでなく競合を同じ表に並べることです。
手順
- 競合を 3〜5 社決める。実際に案件で競り合う相手、または買い手が併記して比較しそうな相手を選びます
- 質問リストを作る(10〜20 問)。「◯◯(自社カテゴリ)のおすすめは?」「◯◯に強い会社は?」のような指名なしの質問を中心に。買い手が実際に打ちそうな言い回しで揃えます
- 複数のエンジンで同じ質問を投げる。最低でも ChatGPT と Google の AI による概要の 2 つ。可能なら Gemini・Perplexity も
- 自社と各競合を、同じ 3 状態で記録する。● 引用あり(URL あり)/◐ 名前は出たが URL なし/○ 出てこない。「出た/出ない」の 2 値にしないことが肝心です
- 文脈をメモする。推奨として出たのか、比較の一項目として出たのか。競合がどの媒体を引用元にして出ているかも控えます
- 日付を記録し、同じ質問リストで繰り返す。回答は毎回同じとは限らないため、1 回の結果で優劣を決めないこと
こうして表にすると、「競合に負けている」の内訳が見えてきます。全エンジンで競合が ● なのか、特定エンジンだけなのか。自社は ○ なのか ◐ なのか。埋めるべき差が具体的な行になります。
手動でやる場合に必ず当たる壁
- 社数 × エンジン × 質問の掛け算: 自社+競合 5 社 × 4 エンジン × 20 質問 × 週次 = 週 480 回、月およそ 1,900 回の手作業になります
- 再現性: 同じ質問でも回答は毎回同じとは限りません。1 回のスナップショットでは優劣を判断できません
- 記録の粒度が落ちる: 手作業が重くなるほど、競合側の ◐ や文脈のメモが省略されがちです
- 比較の維持: 競合を含めた表を毎週同じ基準で更新し続けるのは、現実的に難しくなります
この掛け算が回らなくなった時点が、ツールを検討するタイミングだと考えています。
なお、先に現在地の見当だけ付けたい場合は、サイトの URL を入れるだけで使える無料のAI検索診断(5 つの質問)から始めることもできます。
5. エリスグリ AIO でできること
エリスグリ AIO は、上記の計測を日本市場向けに自動で行うツールです。
- 4 エンジンを週次で計測(AI Overviews・ChatGPT・Gemini・Perplexity)。§3-3 のエンジン差を、同じ枠組みで並べて確認できます
- 言及 3 状態(● 引用あり/◐ 引用なし/○ 不言及)で記録します。手動計測で最も落ちやすい ◐ を、データモデルの中心に置いています
- 競合分析で、競合 1 社ごとの「自社 vs 競合」のカルテ(指標・エンジン別の勝敗・扱われ方)と、エンジン別のブランド順位表を確認できます。§4 で手作業になっていた「自社と競合を同じ表に並べる」作業を、そのまま画面にした機能です
- エンジン別の好意度(ポジティブ/中立/ネガティブ)を集計し、推移を確認できます
- 提案エンジンが、日本の媒体構造(note / PR TIMES / ameblo / 価格.com / 知恵袋 / 公式サイト / Wikipedia など 10 分類)に沿って、次に取るべきアクションを示します。§3-1・§3-2 の「比較の土俵・第三者媒体」に対応する部分です
SEO の順位計測はやりません(引用元ページの Google 順位を参考表示するに留めます)。順位は既存の SEO ツールの領域です。
まず現在地を知りたい方向けに、無料のAI検索診断(5 つの質問・1 日あたりの実施上限あり)を用意しています。スコアで煽ることはしません。
料金プランの内容と金額は、サイト上の表示が最新です。
現在プレローンチ段階のため、導入実績・お客様の声はまだご紹介できません。ベータ招待の準備を進めています。
6. まとめ
- 「AI に競合は出るのに自社が出ない」は、採用・BtoB 購買の両文脈で実際に報告されている状況
- 差を漠然と眺めず、自社と競合を同じ質問リスト・同じ 3 状態で並べて記録する
- 差は「登場の有無」「引用の有無」「文脈」の 3 層に分かれる。競合が ● で自社が ◐ なのか ○ なのかで打ち手は変わる
- 競合が出る背景には、比較サイト・note・PR TIMES など引用元の構造の差がある可能性。自社サイトだけを見ても差の出どころは分からない
- エンジンによって競合の並びは違う。ChatGPT だけで優劣を決めない
- まず手動で並べて測る。社数 × エンジン数 × 質問数 × 頻度の掛け算が回らなくなったらツールを検討する
次のステップ
- 実際に案件で競り合う競合を 3〜5 社決める
- 同じ質問リストを複数エンジンに投げ、自社と競合を同じ 3 状態で記録する
- 競合がどの媒体を引用元にして出ているかもメモに残す
- 日付を付けて同じリストで繰り返し、差の推移を定点観測する
よくある質問(FAQ)
Q1. 競合が出て自社が出ないと、AI 対策で競合に負けていると考えていいですか?
一括りにはできません。まず「登場の有無」「引用の有無」「文脈」のどの層で差がついているかを切り分けてください。競合が ● 引用ありで、自社が ◐ 名前だけなら、埋めるべき差は「候補に入ること」ではなく「参照先として指名されること」です。差の中身が分かってから打ち手を考えるほうが確実だと考えています。
Q2. 競合を何社くらい測ればいいですか?
まずは実際に案件で競り合う 3〜5 社から始めることをおすすめします。買い手が「おすすめは?」と聞いたときに併記して比較しそうな相手、という基準で選ぶと実務に近くなります。社数を増やすほど手作業の掛け算が膨らむため、最初は絞ったほうが続けやすいです。
Q3. 一度競合に差をつけられていたら、もう追いつけませんか?
AI の回答は同じ質問でも毎回同じとは限らず、引用元の媒体状況も時間とともに変わります。1 回のスナップショットで結論を出さず、定点観測にしてから判断してください。ただし当社は「対策すれば必ず追いつく」といった効果の保証はしていません。できるのは、差の在りかを正確に測ることです。
Q4. 競合が引用されている媒体に、自社も投稿すれば出るようになりますか?
引用元ドメインのシェアデータ(Ahrefs / COOD など)は相関の観測であり、「その媒体に書けば引用される」という因果ではありません。§3 のとおり本記事でも媒体は「引用元として観測されている」までに留めています。まずは自社と競合が各媒体に何と書かれているかの現在地を測るところからをおすすめします。なお Q&A サイトへの自作自演の投稿はステマ規制に抵触するおそれがあります。
Q5. Google の検索順位では自社が上なのに、AI では競合が出るのはなぜですか?
検索順位は「どのページを表示するか」の評価、AI の回答は「どの情報を材料に文章を組み立てるか」の処理で、両者が一致する保証はありません。SEO で競合に勝っていても、AI 検索での見え方は別軸で測る必要があります。この乖離そのものについては、「Google で 1 位なのに AI に出てこない」を扱った記事で詳しく整理しています。
関連記事
- ChatGPTに自社が出てこないときの確認手順 — 入口の切り分け方
- AI検索の可視性を計測する方法 — 計測実務の手順
- AI検索の KPI・指標設計 — 推移を追う指標作り
AI に聞いたとき、競合ではなくあなたのビジネスは出てきますか。まず現在地の計測から。
無料でAI検索診断を試す → 登録して継続計測するなら無料トライアルへ。