AIに「おすすめのMAツールは?」と聞くと誰が出てくるか|5エンジン302回答の実測データ【2026年8月】
公開日: #業界別AI言及率データ #MAツール #実測データ #AI検索 #GEO

この記事でわかること
- 「おすすめのMAツールは?」等の質問に、AIが実際にどのツール名を挙げているか(実測値)
- 国産勢(BowNow・SATORI)が外資勢(Marketo・Pardot・HubSpot)を言及率で上回る実態
- 外資3ツールの言及は多いのに、出典リンクがほぼゼロ(= 学習データの遺産で語られている)こと
- この数字をどう測ったか(質問文・エンジン・期間・判定方法をすべて公開)
結論: 日本語のAI回答では、国産MAツールが外資を上回る
マーケティング担当者が「BtoB向けのMAツールでおすすめは?」とAIに聞いたとき、名前が挙がるのはどのツールか。当社は業界ベンチマーク定点観測として、MAツールカテゴリの質問5問を5つのAIエンジンで毎日観測しています。本記事は直近の観測期間(2026年8月7日〜19日)に取得したAI回答302件の集計です。
結論はマーケターにとって示唆的です。言及率の上位は国産のBowNow(73%)とSATORI(64%)で、グローバルで定番のAccount Engagement(旧Pardot・51%)、Marketo Engage(49%)、HubSpot(42%)を上回りました。しかも外資3ツールの言及計430件には出典リンクがほぼ1件もありません(学習データ由来とみられる登場のみ)。日本語のAI回答という土俵では、現行のWebコンテンツを引用面で押さえた国産勢が優位に立っています。
※本記事のデータは、AIの回答にブランドが登場した頻度の観測値であり、各ツールの品質・優劣を示すものではありません。順位づけを目的としたものではなく、グラフは言及率の降順で表示しています。計測方法は§7を、データの限界は§8をご覧ください。
1. ブランド別のAI言及率 — 全ツールが38%以上という混戦、ただし引用は偏在
観測期間内のAI回答302件のうち、各ツールが登場した割合(= AI言及率)は次のとおりです。
| ツール | AI言及率 | 内訳(302回答中) |
|---|---|---|
| BowNow | 73% | 221件(うち引用つき 61件) |
| SATORI | 64% | 194件(うち引用つき 84件) |
| Account Engagement(旧Pardot) | 51% | 155件(引用つき 0件) |
| Marketo Engage | 49% | 148件(引用つき 0件) |
| List Finder | 44% | 134件(引用つき 0件) |
| HubSpot Marketing Hub | 42% | 127件(うち引用つき 2件) |
| Kairos3 | 38% | 115件(引用つき 0件) |
| b→dash | 5% | 15件(引用つき 0件) |
| Synergy! | 1% | 2件(引用つき 0件) |
観測対象9ツールすべてに言及があり、主要7ツールが38〜73%に収まる混戦です。一方で言及全体1,111件のうち引用つきは147件(13%)で、そのほぼすべてをBowNow(61件)とSATORI(84件)の2つが占めます。
2. 言及の質 — SATORIは引用つき43%、外資勢はゼロ
言及の3状態で見ると、量と質の分離がこのカテゴリの核心です。
Marketo・Pardot(Account Engagement)・HubSpotは、世界的な知名度ゆえAIが「昔から知っている」状態で名前を挙げ続けています。しかし出典リンクを伴わないため、日本語圏の最新の料金・機能・事例がAIの回答に反映される経路がない状態です。ブランド名の変更(Pardot→Account Engagement)のような情報も、学習データの古い記憶と混ざりやすい構造といえます。
3. 登場は安定しているか — 主要7ツールは毎日登場
主要ツールは13日間毎日登場しており、顔ぶれは安定しています。
4. 質問の聞き方で顔ぶれが変わる — 「中小企業でも使える?」でBowNowが97%、外資は8%
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| 質問 | BowNow | SATORI | Account Engagement | Marketo Engage | List Finder |
|---|---|---|---|---|---|
| Q1BtoB向けのMAツールでおすすめはどれですか? | 95% | 90% | 94% | 97% | 38% |
| Q2リード獲得後の育成とメール配信に強いMAツールを教えてください | 66% | 78% | 60% | 70% | 42% |
| Q3MAツールの月額費用はどれくらいが相場ですか? | 70% | 67% | 59% | 48% | 62% |
| Q4専任のマーケティング担当がいない中小企業でも使えるMAツールはありますか? | 97% | 43% | 8% | 8% | 65% |
| Q5マーケティングオートメーションツールを導入するときの選び方を教えてください | 37% | 46% | 38% | 27% | 14% |
「BtoB向けおすすめ」(Q1)では外資勢も9割超で登場しますが、「専任担当のいない中小企業」(Q4)ではMarketo・Account Engagementが8%まで消え、BowNowが97%・List Finderが65%。AIはツールの価格帯・運用負荷のポジショニングを文脈リストとして学習しており、ターゲット文脈ごとに推す顔ぶれを切り替えています。
5. エンジン別で顔ぶれが変わる — Account EngagementはGAIO 17%、ChatGPT 71%
分母 = 各エンジンの回答数(GAIO 52件・AI Mode / ChatGPT / Gemini 各65件・Copilot 55件)。
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| ツール | GAIO | AI Mode | ChatGPT | Gemini | Copilot |
|---|---|---|---|---|---|
| BowNow | 60% | 77% | 72% | 63% | 95% |
| SATORI | 40% | 80% | 80% | 42% | 76% |
| Account Engagement | 17% | 54% | 71% | 42% | 69% |
| Marketo Engage | 35% | 55% | 48% | 37% | 71% |
| List Finder | 38% | 58% | 26% | 49% | 62% |
※GAIO = Google AI Overview(Google検索のAIによる概要)
Account EngagementはGAIOで17%、ChatGPTで71%と4倍以上の乖離。SATORIもGAIO 40%に対しAI Mode・ChatGPTでは80%です。GAIOは検索結果に強く紐づくため現行のWeb勢力図を、ChatGPTは学習データの記憶を色濃く映す——この構図が外資・国産の非対称を生んでいます。エンジンの使い分けは計測エンジンの選び方で整理しています。
6. AIは何を出典にしているか — ベンダー自身の比較記事が引用の主戦場
期間内の出典リンク2,124件のうち、比較・レビューサイトが37%(784件)、サービス公式サイトが28%(595件)。そして引用ドメイン上位はベンダーが運営する比較コンテンツが占めます。
SATORIの比較記事が57回、List Finderの料金相場記事が46回——自社が競合込みの比較・相場コンテンツを出し、それをAIが出典に選ぶという構図が、そのまま国産勢の「引用つき言及」を作っています。MAツールを売る側がコンテンツマーケティングの実践者であるため、GEO(AI検索最適化)の巧拙が結果に直結した、ある意味で最も分かりやすいカテゴリです。業界横断の引用元分析は22業種×2,600回の実測記事をご覧ください。
7. 計測方法(すべて公開します)
- 質問文
- 5問(下記に全文)。質問文にブランド名は含めません
- エンジン
- GAIO(Google AI Overview)・AI Mode・ChatGPT・Gemini・Copilot の5種。毎日1回取得
- 期間と回答数
- 2026年8月7日〜19日の13日間、合計302回答(GAIO 52件・AI Mode 65件・ChatGPT 65件・Gemini 65件・Copilot 55件。取得できなかった回は分母から除外)
- 言及の判定
- 回答本文と出典リンクから、ブランド名(表記ゆれ・別名を含む辞書照合)とドメインを検出し、言及の3状態で記録。1回答内の複数登場は1件と数える
- 言及率の定義
- そのツールが登場した回答数 ÷ 期間内の全回答数(302件)
- Q1BtoB向けのMAツールでおすすめはどれですか?
- Q2マーケティングオートメーションツールを導入するときの選び方を教えてください
- Q3MAツールの月額費用はどれくらいが相場ですか?
- Q4専任のマーケティング担当がいない中小企業でも使えるMAツールはありますか?
- Q5リード獲得後の育成とメール配信に強いMAツールを教えてください
エンジン名は各サービスの回答を観測した事実の記述であり、各社との提携・承認を示すものではありません。
8. このデータの限界と読み方の注意
- 観測対象は当社が辞書登録した9ツールのみです。市場のすべてのツールを網羅したものではなく、対象外のツールの言及は集計されていません
- AIの回答は確率的に変動します。同じ質問でも日や実行ごとに回答は変わり、モデルの更新でも傾向は変化します。本記事の数値は上記期間の観測値であり、将来を保証しません
- 言及率はツールの品質・シェア・満足度とは別の指標です。「AIの回答にどれだけ登場するか」だけを測っています
- 質問文の設計に依存します。5問は導入検討時の代表的な聞き方を想定して固定したもので、別の聞き方をすれば結果は変わり得ます
よくある質問
Q1. 外資ツールの言及が「学習データの遺産」というのは、いずれ消えるということですか?
予測はできませんが、構造的なリスクはあります。学習データ由来の言及は、モデルの更新やAI検索の「引用重視」への移行が進むほど、現行Webで引用面を持つツールに置き換わりやすい立場です。逆に言えば、いま引用面を押さえることが将来の言及の保険になります。
Q2. ベンダーの比較記事は「自社に有利」なのにAIは引用するのですか?
観測上、AIはベンダー運営の比較・相場記事を頻繁に出典へ選んでいます(§6)。中立性の判定はAI任せであり、掲載側から見れば「検討クエリに答える比較・相場コンテンツを自社ドメインに持つこと」が引用獲得の実践的な面になっている、というのがデータから言える事実です。
Q3. 自社のMAツールが「中小企業向け」の質問で消えています。何を見ればいいですか?
まずその質問文でAIが引用しているページ(相場記事・中小向け特集)を特定し、自社がそこに掲載されているか、価格帯・運用負荷の情報が現行の形で書かれているかを確認することです。当社の計測では、質問別の登場状況と引用元を継続して追えます。
掲載内容についての訂正・お問い合わせ: 掲載されている事業者の方で、データや表記に関するご指摘がある場合は、お問い合わせ窓口または support@aio-erisuguri.com までご連絡ください。事実誤認は確認のうえ速やかに訂正します。
本データの引用について: 出典として「エリスグリAIO 業界ベンチマーク定点観測(2026年8月)」と明記のうえ、計測期間を併記いただければ、本記事の数値・グラフは引用可能です。「No.1」「最も優れた」等、品質の優劣を示す表現への言い換えはご遠慮ください。
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