AIに「おすすめのクラウド会計ソフトは?」と聞くと誰が出てくるか|5エンジン338回答の実測データ【2026年8月】
公開日: #業界別AI言及率データ #クラウド会計 #実測データ #AI検索 #GEO

この記事でわかること
- 「おすすめのクラウド会計ソフトは?」等の質問に、AIが実際にどのサービス名を挙げているか(実測値)
- 同じ質問でも、エンジンによって登場するサービスが大きく変わること
- AIが回答の出典にしている媒体の内訳(比較・レビューサイトが4割)
- この数字をどう測ったか(質問文・エンジン・期間・判定方法をすべて公開)
結論: AIの回答は特定サービスに集中し、しかもエンジンごとに顔ぶれが違う
買い手が「中小企業におすすめのクラウド会計ソフトを教えてください」とAIに聞いたとき、実際に名前が挙がるのはどのサービスなのか。当社は業界ベンチマーク定点観測として、クラウド会計カテゴリの質問5問を5つのAIエンジンで毎日観測しています。本記事は直近14日間(2026年8月4日〜17日)に取得したAI回答338件の集計です。
結論は2つです。言及は上位に強く集中しており(freee会計は回答の91%に登場)、同時にエンジンによって顔ぶれが大きく入れ替わります(ChatGPTでは一度も登場しなかった勘定奉行が、Copilotでは回答の38%に登場)。「AIでの見え方」は1つのエンジンを見ても分からない、というのがデータから見える実態です。
※本記事のデータは、AIの回答にブランドが登場した頻度の観測値であり、各サービスの品質・優劣を示すものではありません。順位づけを目的としたものではなく、グラフは言及率の降順で表示しています。計測方法は§6を、データの限界は§7をご覧ください。
1. ブランド別のAI言及率 — freee会計は回答338件中308件に登場
観測期間内のAI回答338件のうち、各サービスが登場した割合(= AI言及率)は次のとおりです。
| サービス | AI言及率 | 内訳(338回答中) |
|---|---|---|
| freee会計 | 91% | 308件(うち引用つき 99件) |
| 弥生会計 オンライン | 55% | 185件(うち引用つき 60件) |
| マネーフォワード クラウド会計 | 48% | 162件(うち引用つき 60件) |
| やよいの青色申告 オンライン | 25% | 83件(引用つき 0件) |
| 勘定奉行 | 9% | 32件(うち引用つき 1件) |
| ジョブカン会計 | 4% | 15件 |
| 会計王 | 1% | 4件 |
観測対象8ブランドのうち、期間内に言及が確認できたのは7ブランドでした(言及がなかったブランドは掲載していません)。
2. 言及の中身 — 「引用つき」かどうかで意味が変わる
言及率が同じでも、中身は同じではありません。当社は言及を言及の3状態——言及あり・引用つき(出典リンクとともに登場)/言及あり・引用なし(学習データ由来とみられる登場)/言及なし——で記録しています。
今回の言及789件のうち、出典リンクつきは220件(28%)でした。上位6サービスの「引用つき」比率は次のとおりです。
比率で最も高いのはマネーフォワード クラウド会計の37%。一方、やよいの青色申告 オンラインは言及83件すべてが引用なし、つまり学習データ由来とみられる言及のみでした。
引用なしの言及は、AIが「昔から知っている知識」で名前を挙げている状態です。露出としては価値がありますが、Webの最新情報が反映されにくく、内容が古いまま語られるリスクと隣り合わせです。この違いがなぜ重要かは言及の3状態の解説記事で詳しく扱っています。
3. エンジン別で顔ぶれが変わる — ChatGPTで0%、Copilotで38%のサービス
同じ5問でも、エンジンによって回答に登場するサービスは大きく変わります。エンジン別のAI言及率は次のとおりです(分母 = 各エンジンの回答数。GAIO 68件・AI Mode / ChatGPT / Gemini 各70件・Copilot 60件)。
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| サービス | GAIO | AI Mode | ChatGPT | Gemini | Copilot |
|---|---|---|---|---|---|
| freee会計 | 82% | 90% | 100% | 84% | 100% |
| 弥生会計 オンライン | 53% | 61% | 43% | 60% | 57% |
| マネーフォワード クラウド会計 | 44% | 50% | 41% | 47% | 58% |
| 勘定奉行 | 1% | 1% | 0% | 10% | 38% |
※GAIO = Google AI Overview(Google検索のAIによる概要)
最も大きな乖離は勘定奉行です。ChatGPTでは期間内70回答で一度も登場しなかった一方、Copilotでは60回答中23件(38%)に登場しました。CopilotはBing系の検索基盤を参照しており、GoogleやChatGPTとは「見ているWeb」が異なることが、この差の背景にあると考えられます。
つまり「ChatGPTで自社が出ない」ことと「AI検索全体で自社が出ない」ことは別の話です。1つのエンジンだけを見て一喜一憂すると、判断を誤ります。どのエンジンを見るべきかは計測エンジンの選び方で整理しています。
4. 質問の聞き方で顔ぶれが変わる — 「確定申告」ではやよいの青色申告が96%
同じカテゴリでも、質問文によって言及率は大きく動きます(各セルは、その質問への回答のうちサービスが登場した割合)。
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| 質問 | freee会計 | 弥生会計 オンライン | マネーフォワード クラウド会計 | やよいの青色申告 オンライン | 勘定奉行 |
|---|---|---|---|---|---|
| Q1中小企業におすすめのクラウド会計ソフトを教えてください | 100% | 100% | 100% | 0% | 24% |
| Q2経理担当が1人しかいない会社でも運用できる会計ソフトはありますか? | 100% | 94% | 97% | 10% | 7% |
| Q3個人事業主の確定申告に使いやすい会計ソフトはどれですか? | 100% | 6% | 0% | 96% | 0% |
| Q4クラウド会計ソフトの料金相場はどれくらいですか? | 96% | 59% | 41% | 16% | 15% |
| Q5クラウド会計ソフトを選ぶときに比較すべきポイントは何ですか? | 60% | 16% | 3% | 0% | 1% |
最も鮮やかな入れ替わりはやよいの青色申告 オンラインです。「おすすめ」を聞くQ1では一度も登場しない一方、Q3「個人事業主の確定申告」では回答の96%に登場し、代わりに弥生会計 オンライン(6%)とマネーフォワード(0%)がほぼ消えます。AIは「法人向け」「個人事業主向け」を質問文から読み分けて、挙げるサービスを切り替えているわけです。また、一般論で答えられるQ5「比較すべきポイント」では全サービスの登場率が大きく下がります。自社がどの「聞かれ方」で強く、どこで消えるのか——これが計測の第一歩になります。
5. AIは何を出典にしているか — 引用の4割は比較・レビューサイト
期間内のAI回答には、出典リンクが2,297件含まれていました。その媒体内訳です。
比較・レビューサイトが40%(920件)で最大、サービス公式サイトは28%(642件)でした。引用されたドメインの上位は次のとおりです。
ドメイン単位ではベンダー公式(マネーフォワード・freee・弥生)が上位に並びますが、分類の合計では、多数の比較サイトに分散した比較・レビューサイトが最大勢力です。AIは「各社が自分のサイトで言っていること」より「第三者がまとめた比較・評価」を優先的に出典へ選んでいる構図です。
これはGEO(AI検索最適化)の打ち手に直結します。自社サイトの改善だけでは引用の28%の枠を争うことにしかならず、最大勢力である比較・レビューサイトへの掲載・情報整備が、このカテゴリでは効率のよい面になります。業界横断で引用元媒体を分析した22業種×2,600回の実測記事も併せてご覧ください。
6. 計測方法(すべて公開します)
- 質問文
- 5問(下記に全文)。質問文にブランド名は含めません
- エンジン
- GAIO(Google AI Overview)・AI Mode・ChatGPT・Gemini・Copilot の5種。毎日1回取得
- 期間と回答数
- 2026年8月4日〜17日の14日間、合計338回答(GAIO 68件・AI Mode 70件・ChatGPT 70件・Gemini 70件・Copilot 60件。取得できなかった回は分母から除外)
- 言及の判定
- 回答本文と出典リンクから、ブランド名(表記ゆれ・別名を含む辞書照合)とドメインを検出し、言及の3状態で記録。1回答内の複数登場は1件と数える
- 言及率の定義
- そのブランドが登場した回答数 ÷ 期間内の全回答数(338件)
- Q1中小企業におすすめのクラウド会計ソフトを教えてください
- Q2経理担当が1人しかいない会社でも運用できる会計ソフトはありますか?
- Q3個人事業主の確定申告に使いやすい会計ソフトはどれですか?
- Q4クラウド会計ソフトの料金相場はどれくらいですか?
- Q5クラウド会計ソフトを選ぶときに比較すべきポイントは何ですか?
エンジン名は各サービスの回答を観測した事実の記述であり、各社との提携・承認を示すものではありません。
7. このデータの限界と読み方の注意
実測データにも限界があります。誤読を防ぐため、先に明記します。
- 観測対象は当社が辞書登録した8ブランドのみです。市場のすべてのサービスを網羅したものではなく、対象外のサービスの言及は集計されていません
- AIの回答は確率的に変動します。同じ質問でも日や実行ごとに回答は変わり、モデルの更新でも傾向は変化します。本記事の数値は上記期間の観測値であり、将来を保証しません
- 言及率はサービスの品質・シェア・満足度とは別の指標です。「AIの回答にどれだけ登場するか」だけを測っています
- 質問文の設計に依存します。5問は購入検討時の代表的な聞き方を想定して固定したもので、別の聞き方をすれば結果は変わり得ます
よくある質問
Q1. 言及率が高ければ、それだけ選ばれやすくなりますか?
言及率は「検討候補に入る確率」に近い指標で、成約や品質を保証するものではありません。ただしAIの回答に登場しないサービスは、AI経由の検討プロセスでは候補にすら入れない構造のため、まず「出ているか」を把握することが出発点になります。
Q2. 引用なしの言及(学習データ由来)は問題なのですか?
露出としては価値がありますが、AIが学習時点の古い情報で語り続けるリスクがあります。料金改定や新機能がAIの回答に反映されにくく、内容の正確性を自社でコントロールしづらい状態です。詳しくは言及の3状態の解説をご覧ください。
Q3. 自社の会計ソフトの言及率を上げるには何をすればいいですか?
このカテゴリでは引用の40%が比較・レビューサイト、28%が公式サイトでした。まず引用されている比較メディアへの掲載情報を整備し、自社サイトに料金・選び方の解説コンテンツを持つのが、データ上は効率のよい面です。ただし最初に、自社がどの質問・どのエンジンで登場していないかを計測して現在地を確かめることをおすすめします。
掲載内容についての訂正・お問い合わせ: 掲載されている事業者の方で、データや表記に関するご指摘がある場合は、お問い合わせ窓口または support@aio-erisuguri.com までご連絡ください。事実誤認は確認のうえ速やかに訂正します。
本データの引用について: 出典として「エリスグリAIO 業界ベンチマーク定点観測(2026年8月)」と明記のうえ、計測期間を併記いただければ、本記事の数値・グラフは引用可能です。「No.1」「最も優れた」等、品質の優劣を示す表現への言い換えはご遠慮ください。
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