ゼロクリック検索とは?日本のデータで影響と測り方を整理
公開日: #ゼロクリック検索 #AI検索 #GEO #AIO #AI Overviews

ゼロクリック検索とは、検索した人が結果の画面で答えを得てしまい、どのサイトも訪問せずに終わる検索です。日本では検索 1 位の実測クリック率が予測を 62.7% 下回ったという報告がある一方、Google はウェブへのクリック総量は前年比で安定していると述べています。本記事では一次出典で確認できた数字だけを並べ、自社で何を見ればよいかを整理します。
この記事でわかること
- ゼロクリック検索の定義と、画面で答えが完結する面が増えてきた流れ
- 日本の数字 — AI による概要が出るキーワードで検索 1 位の実測クリック率が予測を 62.7% 下回った(Ahrefs・2026 年 6 月)
- 同じ現象を測った 4 つの調査が、別々のものを測り、別々の方向を指していること
- クリック以外に自社で見られる 3 つの手がかりと、その限界
ゼロクリック検索とは何か — 検索結果の画面で完結する検索のこと
ゼロクリック検索とは、検索した人が検索結果の画面で必要な答えを得てしまい、どのリンクもクリックせずに終わる検索を指します。言葉自体は AI より前からあり、強調スニペットやナレッジパネルと、画面で答えが完結する面は段階的に増えてきました。2024 年以降はそこに AI による概要(AI Overviews)が加わっています。
SparkToro は、Similarweb の米国パネル(デスクトップ / モバイル)で、2026 年 1〜4 月の Google 検索のうち 68.01% が、どのサイトへのクリックも発生しない検索だったと推計しています(米国の 2024 年は 60.45%、10 年前は約 45%)(SparkToro「In 2026, Less than One Third of Google Searches Still Send a Click」2026年6月9日公開・6月18日更新2026年8月23日取得・英語。2024 年と 10 年前の値は別パネルの計測で、原典も単純比較の限界に触れています。2026 年の値は Google 検索アプリを含みません。※外部調査の推計であり日本語検索の値ではありません)。
用語や全体像はAIO・GEOとは?AI検索対策がわかる完全ガイド【2026年版】にまとめています。では、日本語の検索では実際にどれくらい起きているのでしょうか。
日本ではどれくらい起きているのか — 検索 1 位の CTR は -62.7%(AI 概要が出るキーワード)
AI による概要が表示されるキーワードでは、日本の検索 1 位の実測クリック率は 9.0% で、順位から予測される 24.1% を 62.7% 下回っていました(2026 年 6 月時点)(Ahrefs 日本語ブログ「AI 概要で検索 1 位の CTR が半年で -62.7% に激減|Ahrefs 調査」2026年7月21日公開・2026年8月10日更新2026年8月23日取得。強い語は原題のもので、本記事は数値のみを引いています。※外部調査であり弊社の実測値ではありません)。
| 市場 | 2025 年 12 月 | 2026 年 6 月 |
|---|---|---|
| 日本 | -38% | -62.7%(予測 24.1% → 実測 9.0%) |
| 米国 | -58% | -68.8%(予測 14.4% → 実測 4.5%) |
外せない条件が 2 つあります。ひとつめは対象範囲で、この分析は情報収集型のキーワードに絞られています。指名検索や購入直前のクエリが同じとは限りません。ふたつめは母集団と基準です。同社が 2026 年 2 月に公表した別系列の分析では、30 万件のキーワードを Google Search Console 集計の月間平均デスクトップ CTR で見ており、日本の低下率は -37.8% でした(Ahrefs / PR TIMES「AIによる概要のゼロクリック影響、日本でも約38%のオーガニッククリック減少を確認」2026年2月26日2026年8月23日取得。※外部調査であり弊社の実測値ではありません)。7 月の実数とは水準が離れており、差の理由は特定できません。本記事は低下率で揃えて読み、実数どうしを比べていません。
Ahrefs は AI 検索での可視性を計測するツールの提供元でもあり、この調査は当事者による分析です。順位は取れているのに AI 側で自社が出てこない、という別方向のズレはGoogle検索1位なのにAIに出てこない|順位とAI可視性のズレで扱っています。
では、クリックされなかった検索では何が起きているのでしょうか。
クリックされないだけでなく、要約の中のリンクも押されていない — 900 人の行動ログ
AI の要約が表示された検索で、検索結果のリンクがクリックされた割合は 8%。要約が表示されなかった検索の 15% と比べて、およそ半分でした(Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」2025年7月22日2026年8月23日取得・英語。※外部調査であり弊社の実測値ではありません)。
共有に同意した米国成人 900 人の 2025 年 3 月の実際の閲覧履歴が対象です。ユニークな Google 検索 68,879 件のうち、12,593 件で AI の要約が生成されていました。その検索でセッションを終えた割合も、要約ありが 26%、要約なしが 16% です。
数字の差より重いのは次の 1 点です。要約の中に置かれたソースリンクがクリックされたのは、要約が表示された検索結果ページへの訪問のうち 1% でした。同機関は「他の検索エンジン上で AI 生成の要約を識別する技術的制約により、本分析は Google 検索のみを対象とする」と明記しています。米国成人の単月のデータです。
この 1% は、考える順番を変えます。クリックを取り返せるかの前に、そもそも引用元として自社が提示されているのかという段があるからです。では、Google 自身は何と言っているのでしょうか。
Google はどう言っているのか — 「ウェブへのクリック総量は相対的に安定」
Google は 2025 年 8 月の公式ブログで、「Google 検索からウェブサイトへ向かうオーガニッククリックの総量は、前年比で相対的に安定している」と述べています(Google「AI in Search: driving more queries and higher quality clicks」Liz Reid、2025年8月6日2026年8月23日取得・英語)。
同記事は 3 点を書いています。質の高いクリックの数が前年よりわずかに増えていること(同社は quality clicks を「ユーザーがすぐに戻らないクリック」と定義しています)。検索回数が増え、質問が長く複雑になっていること。そして、大幅なトラフィック減少を示す第三者の報告は「不完全な手法、限られた事例、あるいは AI 機能の展開前に起きたトラフィック変化に基づくことが多い」という反論です。ただしこの記事に、クリック総量の増減幅を第三者が検証できる数値は示されていません。
「ゼロクリックが増えた」を「ウェブへのクリックが消えた」と読み替えると矛盾して見えますが、両者は測っている対象が違います。
| 見ている対象 | 何が分かるか | 出どころ |
|---|---|---|
| サイト単位・クエリ単位の CTR | 同じ順位でクリックされる割合が変わったか | Ahrefs・Seer などの外部調査 |
| ウェブ全体へのクリック総量 | 検索から外部サイトへ流れたクリックの絶対量 | Google 公式ブログ(数値の開示なし) |
検索回数そのものが増えていれば、1 クエリあたりの CTR が下がっても総量は保たれます。両者は同時に成立しうる指標です。どちらが実態をよく表しているかを判定する材料を弊社は持っていないため、本記事は「Google がそう述べている」という事実として扱います。実際、外部の調査どうしでも結論は揃いません。
調査によって結論が違う — 悪化が続くという数字と、2026 年に回復したという数字
同じ「AI による概要とクリック」を扱った調査でも、低下が続いているとする数字と、2026 年に入って戻ったとする数字の両方が公表されています。調査によって結論が違うとは、対象や母集団が違えば同じ現象でも別の数字になる、ということです。
SEO エージェンシーの Seer Interactive は、53 ブランド・追跡クエリ 547 万件・オーガニック表示 24.3 億回のデータから、AI による概要が表示されるクエリのオーガニック CTR を月次で追っています。2025 年 12 月の 1.31% を底に、2026 年 2 月は 2.36% へ上がりました(Seer Interactive R&D「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」2026年4月公開2026年8月23日取得・英語。※外部の SEO エージェンシーによる分析であり弊社の実測値ではありません)。
| 時点 | AIO 表示クエリのオーガニック CTR |
|---|---|
| 2025 年 1 月 | 3.19% |
| 2025 年 9 月 | 2.14% |
| 2025 年 12 月 | 1.31% |
| 2026 年 2 月 | 2.36% |
同社の予測モデルは下落の継続を見込んでおり、実績はそれに反したと書かれています。ただし「因果は主張できない」とも明記し、権威の高いブランドほど引用されやすい点も併せて挙げています。
Ahrefs は検索 1 位の CTR の低下率、Seer は AI による概要が出るクエリ全体の CTR の実数、Pew は個人の閲覧行動、Google はウェブ全体のクリック総量を見ています。対象も母集団も期間も国も違うため、足す・平均する・どちらかで他方を説明する、のいずれもできません。どれが正しいかを断定する材料は公開情報の範囲になく、他社の平均値を自社の現在地の代わりにはできません。
では何を見ればいいのか — クリック以外に残る 3 つの手がかり
自社のクエリで見るなら、表示回数とクリックの乖離・指名検索・AI の回答での扱われ方の 3 つが、今日から確かめられる手がかりだと弊社は考えています。
- 情報収集型のクエリで、表示回数とクリックの乖離を見る — 「〇〇とは」型に絞って前年同期と比べます。表示回数が横ばい以上でクリックだけ落ちているなら、画面での扱われ方が変わった可能性があります
- 指名検索を別に切り出す — 自社名・製品名と一般語では影響の出方が違い、まとめて見ると打ち消し合います
- AI の回答そのものを定点で見る — 同じ質問セットを同じエンジンで、時期を揃えて記録します。見るのは順位ではなく言及の 3 状態です。読み方はAI言及の3状態とは|言及なし・引用なし・引用つきの読み方にまとめています
弊社が 22 業種で実施した計測では、Gemini は 86% の回答で引用元の URL を 1 件も示しませんでした(弊社実測・2026年7月25日実施。22 業種・2,609 計測・引用 16,351 件。内訳は22業種×2,600回の実測でわかった、AIが引用する日本のサイトに掲載)。「引用リンクが出たのに押されなかった」と「そもそも引用リンクが出なかった」は、クリック率の上では同じ 0 になります。
限界も先に書きます。Search Console は、AI による概要の枠での表示・クリックを他の検索結果と分けて出しません。指標そのものの設計はAIO・GEOのKPI指標は何にすべきか|順位に代わる4つの軸で扱っています。
弊社の エリスグリ AIO は、日本語の質問に対する AI の回答を定点で記録し、言及を 3 状態(● 引用つき/◐ 引用なし/○ 言及なし)で追える GEO・AIO 計測ツールです。先に現在地の見当だけ付けたい場合は、サイトの URL を入れるだけの無料のAI検索診断(5 つの質問)から始められます。
現在プレローンチ段階のため、導入実績・お客様の声はまだご紹介できません。ベータ招待の準備を進めています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ゼロクリック検索は日本でどれくらい起きていますか?
日本語検索全体の割合を示す一次データは確認できていません。分かるのは条件付きの数字までで、AI による概要が表示されるキーワードでは検索 1 位の実測クリック率が予測を 62.7% 下回りました(Ahrefs・2026 年 6 月時点・情報収集型キーワードが対象)。
Q2. SEO はもう意味がないのですか?
そう結論づけられるデータは見当たりません。Google は公式ブログで、ウェブへのクリック総量は前年比で相対的に安定していると述べています。一方で AI による概要が出るキーワードの CTR が下がったという外部調査もあり、どちらか一方で他方を否定できる関係ではありません。
Q3. AI による概要に引用されれば、クリックは戻りますか?
戻ると示すデータは確認できていません。Pew Research Center が米国成人 900 人の行動を調べた分析では、要約の中のソースリンクがクリックされたのは、要約が表示された検索結果ページへの訪問のうち 1% でした。
Q4. Google Search Console だけで影響を確認できますか?
部分的にできます。情報収集型クエリの表示回数とクリックの乖離、指名検索の推移は追えます。一方で、AI による概要の枠での表示・クリックは分けて出力されないため、「AI による概要のせいで何件減ったか」は取り出せません。同ツールの仕様上、保持期間は 16 か月です。
Q5. 指名検索は減りますか?
減るかどうかを示す一次データは確認できていません。一般語と指名検索では影響の出方が違う可能性があるため、2 系統に分けて推移を見ることをおすすめします。
まとめ
- ゼロクリック検索とは、検索結果の画面で答えが完結し、どのサイトも訪問せずに終わる検索。強調スニペットから続く流れの上に AI による概要が加わった
- 日本では、AI による概要が表示されるキーワードで検索 1 位の実測クリック率が予測を 62.7% 下回った(Ahrefs・2026 年 6 月時点・情報収集型キーワードが対象)
- 米国成人 900 人の閲覧履歴では、要約ありのリンククリックは 8%、要約なしは 15%。要約内のソースリンクがクリックされたのは、要約が表示された検索結果ページへの訪問の 1%(Pew Research Center・2025 年 3 月)
- Google は、ウェブへのクリック総量は前年比で相対的に安定していると述べている。サイト単位の CTR と総量は別の指標で、同時に成立しうる
- 4 つの調査は対象も母集団も期間も国も違う。他社の平均値を自社の現在地の代わりにはできない
次のステップ
- Search Console のクエリを情報収集型に絞り、表示回数とクリックの前年同期比を書き出す
- 自社名・製品名を含む指名検索を別系統に分けて、同じ期間で推移を見る
- 自社と主要サービスの質問を 5〜10 本決め、同じエンジンで AI の回答と引用元を記録する
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※ 本記事の CTR・クリック率・ゼロクリック率の数値は Ahrefs 社・Pew Research Center・Seer Interactive 社・SparkToro 社による外部公表資料であり、弊社の実測値ではありません(22 業種の計測のみ弊社)。各調査は対象・母集団・期間・国が異なり、相互に足したり平均したりはできません。数値はいずれも各調査時点のもので、2026 年 8 月 23 日に取得しています。