AIに「おすすめの勤怠管理システムは?」と聞くと誰が出てくるか|5エンジン310回答の実測データ【2026年8月】
公開日: #業界別AI言及率データ #勤怠管理 #実測データ #AI検索 #GEO

この記事でわかること
- 「おすすめの勤怠管理システムは?」等の質問に、AIが実際にどのサービス名を挙げているか(実測値)
- 言及の9割が出典リンクなし(= 学習データ由来とみられる)という、このカテゴリ特有の構造
- 質問の聞き方ひとつで、登場するサービスが大きく入れ替わること
- この数字をどう測ったか(質問文・エンジン・期間・判定方法をすべて公開)
結論: 2強の接戦、ただし言及の9割は「引用なし」
買い手が「勤怠管理システムのおすすめを教えてください」とAIに聞いたとき、実際に名前が挙がるのはどのサービスなのか。当社は業界ベンチマーク定点観測として、勤怠管理カテゴリの質問5問を5つのAIエンジンで毎日観測しています。本記事は直近の観測期間(2026年8月7日〜19日)に取得したAI回答310件の集計です。
結論は2つです。KING OF TIME(73%)とジョブカン勤怠管理(71%)がほぼ並ぶ2強で、3位以下を大きく引き離しています。そしてもうひとつが重要で、言及901件のうち出典リンクがついていたのはわずか82件(9%)。つまりこのカテゴリのAI回答は、大半が「Webの最新情報を引用して」ではなく「AIが昔から知っている知識で」語られています。
※本記事のデータは、AIの回答にブランドが登場した頻度の観測値であり、各サービスの品質・優劣を示すものではありません。順位づけを目的としたものではなく、グラフは言及率の降順で表示しています。計測方法は§7を、データの限界は§8をご覧ください。
1. ブランド別のAI言及率 — KING OF TIMEとジョブカンが7割で拮抗
観測期間内のAI回答310件のうち、各サービスが登場した割合(= AI言及率)は次のとおりです。
| サービス | AI言及率 | 内訳(310回答中) |
|---|---|---|
| KING OF TIME | 73% | 225件(うち引用つき 52件) |
| ジョブカン勤怠管理 | 71% | 219件(うち引用つき 27件) |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | 49% | 151件(引用つき 0件) |
| freee勤怠管理Plus | 32% | 100件(引用つき 0件) |
| ハーモス勤怠 | 24% | 74件(うち引用つき 3件) |
| ジンジャー勤怠 | 20% | 63件(引用つき 0件) |
| タッチオンタイム | 10% | 32件(引用つき 0件) |
| レコル | 8% | 26件(引用つき 0件) |
| AKASHI | 2% | 7件(引用つき 0件) |
| TeamSpirit | 1% | 4件(引用つき 0件) |
観測対象10ブランドすべてに期間内の言及が確認できました。ただし集中は強く、上位3サービスだけで言及全体(901件)の66%を占めます。AIの回答には検索結果のような「2ページ目」がなく、登場しないサービスは検討候補にすら入らない構造です。
2. 言及の質 — 出典リンクつきは、わずか9%
言及率が同じでも中身は同じではありません。当社は言及を言及の3状態——言及あり・引用つき(出典リンクとともに登場)/言及あり・引用なし(学習データ由来とみられる登場)/言及なし——で記録しています。上位6サービスの「引用つき」比率は次のとおりです。
注目はマネーフォワード クラウド勤怠(151件)とfreee勤怠管理Plus(100件)が、言及すべて引用なしという点です。知名度ゆえにAIが「昔から知っている」状態であり、露出としては強い一方、Webの最新情報(新機能・料金改定)が回答に反映されにくいリスクと隣り合わせです。カテゴリ全体でも引用つきは9%にとどまり、これは同じ観測をしているクラウド会計カテゴリ(28%)の3分の1以下です。
3. 登場は安定しているか — 上位勢は毎日欠かさず登場
「たまたまその日に出ただけ」ではないかを確かめるため、日別の登場を記録しています。
上位6サービスは観測13日間、1日も欠けずに登場しました。このカテゴリのAI回答は日々の揺らぎが小さく、顔ぶれは構造的に固定されています。裏を返せば、いま登場していないサービスが「日を改めれば出る」ことも起きにくいということです。
4. 質問の聞き方で顔ぶれが変わる — 「テレワーク打刻」ではKING OF TIMEが全回答に登場
同じカテゴリでも、質問文によって言及率は大きく動きます(各セルは、その質問への回答のうちブランドが登場した割合)。
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| 質問 | KING OF TIME | ジョブカン勤怠管理 | マネーフォワード クラウド勤怠 | freee勤怠管理Plus | ハーモス勤怠 |
|---|---|---|---|---|---|
| Q1勤怠管理システムのおすすめを教えてください | 98% | 100% | 92% | 71% | 44% |
| Q2従業員50人くらいの会社に合う勤怠管理システムはどれですか? | 95% | 98% | 80% | 46% | 25% |
| Q3テレワークや直行直帰の打刻に強い勤怠管理システムはありますか? | 100% | 85% | 50% | 18% | 23% |
| Q4勤怠管理システムの月額費用はどれくらいかかりますか? | 56% | 56% | 21% | 27% | 29% |
| Q5勤怠管理システムを比較するときに見るべき機能は何ですか? | 14% | 14% | 2% | 0% | 0% |
「おすすめ」を聞く質問(Q1・Q2)ではほぼ全員が登場する一方、「比較すべき機能」を聞くQ5では、どのサービスもほとんど登場しません(AIが一般論で答えるため)。用途を絞ったQ3「テレワーク打刻」ではKING OF TIMEが全回答に登場し、マネーフォワードとfreeeは半分以下に落ちます。自社がどの「聞かれ方」で強く、どこで消えるのか——これが計測の第一歩になります。
5. エンジン別で顔ぶれが変わる — freee勤怠はGAIO 8%、ChatGPT 58%
同じ5問でも、エンジンによって回答に登場するサービスは変わります(分母 = 各エンジンの回答数。GAIO 60件・AI Mode / ChatGPT / Gemini 各65件・Copilot 55件)。
表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→
| サービス | GAIO | AI Mode | ChatGPT | Gemini | Copilot |
|---|---|---|---|---|---|
| KING OF TIME | 70% | 71% | 80% | 63% | 80% |
| ジョブカン勤怠管理 | 75% | 71% | 65% | 60% | 85% |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | 60% | 63% | 31% | 49% | 40% |
| freee勤怠管理Plus | 8% | 18% | 58% | 31% | 45% |
| ハーモス勤怠 | 17% | 11% | 12% | 25% | 60% |
※GAIO = Google AI Overview(Google検索のAIによる概要)
最大の乖離はfreee勤怠管理Plusで、GAIOでは60回答中5件(8%)しか登場しない一方、ChatGPTでは58%に登場します。ハーモス勤怠はCopilotだけ60%と突出しており、Bing系の検索基盤を参照するCopilotが「見ているWeb」の違いが表れています。1つのエンジンだけを見て一喜一憂すると判断を誤る、という構図はこのカテゴリでも同じです。どのエンジンを見るべきかは計測エンジンの選び方で整理しています。
6. AIは何を出典にしているか — 引用の半分は比較・レビューサイト
期間内のAI回答には出典リンクが2,282件含まれていました。媒体内訳です。
比較・レビューサイトが49%(1,108件)で最大。引用されたドメインの上位は次のとおりです。
具体的に引用されたページを見ると、ITトレンド・BOXIL などの比較記事に加えて、freeeが自社サイトで公開している比較解説記事(52回引用)のようなベンダー自身のオウンドメディアが上位に入ります。
GEO(AI検索最適化)の打ち手として読むなら、このカテゴリは「比較・レビューサイトへの掲載整備」が最大の面で、同時に自社サイトの解説コンテンツも引用枠を取れていることが分かります。業界横断の引用元分析は22業種×2,600回の実測記事をご覧ください。
7. 計測方法(すべて公開します)
- 質問文
- 5問(下記に全文)。質問文にブランド名は含めません
- エンジン
- GAIO(Google AI Overview)・AI Mode・ChatGPT・Gemini・Copilot の5種。毎日1回取得
- 期間と回答数
- 2026年8月7日〜19日の13日間、合計310回答(GAIO 60件・AI Mode 65件・ChatGPT 65件・Gemini 65件・Copilot 55件。取得できなかった回は分母から除外)
- 言及の判定
- 回答本文と出典リンクから、ブランド名(表記ゆれ・別名を含む辞書照合)とドメインを検出し、言及の3状態で記録。1回答内の複数登場は1件と数える
- 言及率の定義
- そのブランドが登場した回答数 ÷ 期間内の全回答数(310件)
- Q1勤怠管理システムのおすすめを教えてください
- Q2従業員50人くらいの会社に合う勤怠管理システムはどれですか?
- Q3テレワークや直行直帰の打刻に強い勤怠管理システムはありますか?
- Q4勤怠管理システムの月額費用はどれくらいかかりますか?
- Q5勤怠管理システムを比較するときに見るべき機能は何ですか?
エンジン名は各サービスの回答を観測した事実の記述であり、各社との提携・承認を示すものではありません。
8. このデータの限界と読み方の注意
- 観測対象は当社が辞書登録した10ブランドのみです。市場のすべてのサービスを網羅したものではなく、対象外のサービスの言及は集計されていません
- AIの回答は確率的に変動します。同じ質問でも日や実行ごとに回答は変わり、モデルの更新でも傾向は変化します。本記事の数値は上記期間の観測値であり、将来を保証しません
- 言及率はサービスの品質・シェア・満足度とは別の指標です。「AIの回答にどれだけ登場するか」だけを測っています
- 質問文の設計に依存します。5問は購入検討時の代表的な聞き方を想定して固定したもので、別の聞き方をすれば結果は変わり得ます
よくある質問
Q1. 言及率が高ければ、それだけ選ばれやすくなりますか?
言及率は「検討候補に入る確率」に近い指標で、成約や品質を保証するものではありません。ただしAIの回答に登場しないサービスは、AI経由の検討プロセスでは候補にすら入れない構造のため、まず「出ているか」を把握することが出発点になります。
Q2. 引用なしの言及(学習データ由来)は問題なのですか?
露出としては価値がありますが、AIが学習時点の古い情報で語り続けるリスクがあります。料金改定や新機能がAIの回答に反映されにくく、内容の正確性を自社でコントロールしづらい状態です。詳しくは言及の3状態の解説をご覧ください。
Q3. 自社の勤怠管理システムの言及率を上げるには何をすればいいですか?
このカテゴリでは引用の49%が比較・レビューサイト、28%が公式サイトでした。まず引用されている比較メディアへの掲載情報を整備し、自社サイトに料金・選び方の解説コンテンツを持つのが、データ上は効率のよい面です。ただし最初に、自社がどの質問・どのエンジンで登場していないかを計測して現在地を確かめることをおすすめします。
掲載内容についての訂正・お問い合わせ: 掲載されている事業者の方で、データや表記に関するご指摘がある場合は、お問い合わせ窓口または support@aio-erisuguri.com までご連絡ください。事実誤認は確認のうえ速やかに訂正します。
本データの引用について: 出典として「エリスグリAIO 業界ベンチマーク定点観測(2026年8月)」と明記のうえ、計測期間を併記いただければ、本記事の数値・グラフは引用可能です。「No.1」「最も優れた」等、品質の優劣を示す表現への言い換えはご遠慮ください。
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