クエリファンアウトとは?Google公式の説明と順位計測の限界
公開日: 最終更新日: 約 9 分で読めます#クエリファンアウト #AIモード #AI Overview #Search Console #GEO #AIO

クエリファンアウトに、専用の対策はありません。裏で走る検索が公開されない以上、確かめられるのは順位ではなく、質問単位の回答のほうです。
この記事でわかること
- Google Japan Blog は「質問をサブトピックに分解し、ユーザーに代わり、サブクエリに対して検索を実行します」と定義している(2025 年 9 月 9 日)
- Search Central は AI による概要と AI モードの両方が「クエリ ファンアウト」手法を「使う場合があります」と書いている(最終更新 2025 年 12 月 31 日)
- 同じ文書に、表示のための追加の要件はなく、AI 用のファイルやマークアップも特別な最適化も不要だと明記されている
- AI 機能の表示は Search Console の検索タイプ「ウェブ」に含まれ、AI モード分を切り出す公式のフィルタは示されていない
- サブクエリの本数は非公開で、公式が出しているのは画像検索の例示としての "a dozen"(十数件)まで
クエリファンアウトとは — Google が公式に説明している範囲
クエリファンアウトとは、利用者の 1 つの質問をサブトピックに分解し、利用者に代わってサブクエリごとに検索を実行する Google の手法です。日本語の定義は Google Japan Blog にあります(Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」2025年9月9日2026年8月25日取得)。
同ブログは「AI モードは Google のクエリ ファンアウトと呼ばれる技術を使用しています」と書いています。続けて「質問をサブトピックに分解し、ユーザーに代わり、サブクエリに対して検索を実行します」と説明しています。
AI モードだけの手法ではありません。Google Search Central の「AI 機能とウェブサイト」は、両機能をまとめて説明しています(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得)。
AI による概要と AI モードは「『クエリ ファンアウト』手法を使う場合があります」という書き方です。使うモデルや手法は 2 つの機能で異なる場合がある、とも同じ文書に書かれています。
Google が英語でこの語を最初に説明したのは 2025 年 3 月 5 日、AI モードを Labs で試験提供すると発表した公式ブログです。
同年 5 月 20 日の Google I/O で、米国での一般提供が始まりました。その際の公式ブログは "breaking down your question into subtopics and issuing a multitude of queries simultaneously on your behalf"(質問をサブトピックに分解し、利用者に代わって多数のクエリを同時に発行する)と説明しています(Google The Keyword「Expanding AI Overviews and introducing AI Mode」2025年3月5日/同「AI Mode in Google Search: Updates from Google I/O 2025」2025年5月20日2026年8月25日取得・英語。括弧内は当社による訳です)。
日本語の AI モードは 2025 年 9 月 9 日から順次提供が始まっています。半導体や AWS の「ファンアウト」は、同じ語を使う別の概念です。
AI 検索の用語と計測の全体像はAIO・LLMO・GEO の完全ガイドで整理しています。
1 回の検索の裏で何が起きるか — 質問の分解・並列検索・統合
利用者が打つのは 1 回の検索でも、その裏では複数の検索が同時に走り、結果が 1 つの回答に編まれます。公式の説明は 3 段に整理できます。
- 分解 — 質問をサブトピックに分ける。Google Japan Blog は「従来は複数回の検索が必要だったような、長く、複雑な質問を一回の検索で回答します」と説明しています
- 複数の検索 — サブクエリごとに、利用者に代わって検索を実行する。この段が、利用者にも計測にも見えない部分です
- 統合 — 個々の結果を 1 つの回答にまとめ、「さらに深堀りするためのウェブリンクも合わせて提示」する(同ブログ)
検索の本数を、Google は公開していません。2026 年 3 月の公式ブログ(視覚検索がテーマのインタビュー)は "AI Mode is basically doing a dozen searches for you in the time it takes to do one."(AI モードは、1 回分の時間で十数件の検索を代わりに行っているようなものです)と述べています(Google The Keyword「Google expert explains AI Mode in Search's query fan-out method」2026年3月5日2026年8月25日取得・英語。括弧内は当社による訳です)。
その例として挙がっているのは、庭の写真を上げて植物ごとの手入れを尋ねる場面です。「十数件」は説明上の言い回しであって、すべての質問の平均値ではありません。
裏で複数の検索が走ると分かると、次に出てくるのは「では自社は何をすればよいのか」です。Google の答えは短いものでした。
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Google が「不要」と明言していること — 追加要件・AI 用ファイル・特別な最適化
Google は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も不要だと公式文書に書いています。原文は「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」です(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得。英語版は "There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary."・Last updated 2025年12月10日)。
同じ文書には「AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません」とも書かれています。AI 用のテキストファイルが実際にどれだけ読まれているかは、llms.txt とは?効果を137,000ドメインのログ調査で確かめるで別に扱っています。
ただし「特別な最適化は不要」と「何もしなくてよい」は同じではありません。同じ文書は SEO のベストプラクティスが AI 機能でも引き続き有効だと述べており、不要とされているのは AI 機能のためだけの追加作業です。
サブクエリを想定したページ設計を勧める解説もありますが、Google の公開文書にその記述はありません。公式の記述と、解説側が足している推測を並べます。
| 項目 | Google 公式の記述〔出典〕 | 上位解説が足している推測 |
|---|---|---|
| 仕組み | 質問をサブトピックに分解し、利用者に代わってサブクエリを検索する〔Google Japan Blog 2025-09-09〕 | サブクエリの本数・種類の分類、特許文書との対応 |
| 表示の条件 | 追加の要件はなく、特別な最適化は不要〔Search Central 2025-12-31 更新〕 | サブクエリを想定したコンテンツ設計で表示されやすくなる |
| AI 用のファイル | AI テキストファイルやマークアップの新規作成は不要〔同上〕 | AI 向けの専用ファイルや構造化データの追加を推奨 |
| 計測 | AI 機能の表示は Search Console の「ウェブ」に含まれる〔同上〕 | AI モード分を切り出して計測できるという前提の手順 |
右列は、Google が確認していない部分だと分かったうえで読む、というのが本記事の立場です。
追う質問を 5〜10 本に決めた段階なら、エリスグリ AIO(AI 検索での自社の見え方〔GEO / AIO〕を計測・改善するツール)が使えます。定点記録に、質問ごとの回答と 3 状態が残ります。
AI による概要での見え方だけなら、サイトの URL を入れる無料のAI検索診断(5 つの質問)が入口です。
裏で実行されたサブクエリは、同ツールでも見えません。記録できるのは利用者の質問に対する回答で、Search Console の合算を分離する機能もありません。
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順位計測と Search Console で見えなくなるもの — サブクエリは公開されず、AI モードは「ウェブ」に合算される
順位計測が付くのは利用者が打った質問に対してであり、裏で実行されたサブクエリの順位ではありません。サブクエリの内容は公開されていないため、回答に使われた検索と、自社が順位を追っている質問が一致するとは限りません。
順位は利用者の質問に対して引き続き付きますが、AI の回答で自社がどう扱われたかは、その順位からは読めません。これが仕組み上の帰結です。
同じ Search Central の文書は、AI 機能に表示されるサイトの数値も Search Console に反映されると説明しています(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得)。計上先は「検索タイプが『ウェブ』のパフォーマンス レポートに含まれます」という書き方です。
含まれる、とあるだけで、分けて見られるとは書かれていません。
Search Console ヘルプの「検索パフォーマンス レポート」も見ておきます。検索タイプとして挙げられているのはウェブ・画像・動画・ニュースの 4 種で、AI モードや AI による概要の項目はありませんでした(Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」2026年8月25日確認)。
つまり Search Console の数値には AI 機能分が入っていますが、AI モード分として切り出す公式のフィルタは示されていません。「AI モードの数値は Search Console で取れない」ではなく、「合算されていて、公式に分離する方法は示されていない」が正確な言い方です。
ズレを自分で確かめる手順はGoogle検索1位なのにAIに出てこない|順位とAI可視性のズレに書きました。では、順位でも Search Console でも見えないなら、何を見ればよいのでしょうか。
では何を測るか — 質問単位の言及 3 状態と、順位との並置
見えるのは、同じ質問を AI に投げたときに、回答の中で自社が言及・引用されたかどうかです。サブクエリは公開されませんが、利用者が打つ質問と、それに対する回答は誰でも確かめられます。
計測の設計は 3 点です。
- 質問単位で、回答の中の自社を記録する — 出た・出ないの 2 値ではなく、言及なし・言及あり引用なし・言及あり引用つきの 3 状態で残します。定義はAI言及の3状態とは|言及なし・引用なし・引用つきの読み方で扱っています
- 順位と AI 可視性を同じ質問で並べる — 順位は質問に、AI 側は回答に付きます。同じ質問で 2 列を並べて初めて、ズレが行として見えます
- Search Console は「AI 機能込みのウェブ」として読む — AI モード分を切り出せない前提で推移を見て、合算値を AI 機能単体の変化と読まないようにします
回答に添えられるウェブリンクは、Search Central が「従来の検索よりも幅広く有益なリンクを表示」できると書いている部分です。当社の 22 業種の実測でも、AI による概要は 1 回答あたり 6.9 件の引用元 URL を示していました(当社実測・2026年7月25日実施。22 業種・2,609 計測・引用 16,351 件。内訳は22業種×2,600回の実測でわかった、AIが引用する日本のサイトに掲載)。
その中に自社があるかは、質問単位で記録しない限り分かりません。
よくある質問(FAQ)
Q1. クエリファンアウト対策は必要ですか?
Google の公式文書が不要としているのは、AI 機能のためだけの追加作業です。同じ文書に SEO のベストプラクティスは引き続き有効だとも書かれており、基本的な SEO が不要という意味ではありません。
Q2. クエリファンアウトで検索順位は関係なくなりますか?
順位は、利用者が打った質問に対しては引き続き付きます。回答のために裏で実行された検索とその質問が一致するとは限らないため、AI の回答での扱われ方は順位とは別に測る、という関係です。
まとめ: 次にやること
- 自社について買い手が打ちそうな質問を 5〜10 本決め、Google の AI モードと AI による概要の回答を記録する
- 各質問について、順位と、回答の中の自社の 3 状態を同じ表に並べる
- Search Console の「ウェブ」の推移は AI 機能込みの合算として読み、AI 機能単体の変化とは切り分ける
公式が書いているのは、質問を分解して複数の検索を走らせることと、そのための追加作業は要らないことまでです。見えない部分が残る以上、確かめる側は同じ質問を自分で投げ直し、回答と引用元を書き留めることになります。
表計算に質問リストを 1 列で持つだけでも、始められます。エリスグリ AIO では、同じ質問の回答が 3 状態と引用元つきで、日付ごとの行として積み上がります。
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※ 本記事の Google の仕組みに関する記述は、Google Search Central・Google The Keyword・Google Japan Blog の公開文書(いずれも 2026 年 8 月 25 日取得)に基づくもので、Google の内部処理を当社が検証したものではありません。英語の引用の括弧内は当社による訳です。22 業種の実測値のみ当社の計測です。仕様は変わりうるため、取得日時点の記述として読んでください。本記事は特定の施策の効果を保証するものではありません。
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エリスグリ AIO 編集部
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