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クエリファンアウトとは?Google公式の説明と順位計測の限界

公開日: #クエリファンアウト #AIモード #AI Overview #Search Console #GEO #AIO

クエリファンアウトとは?Google公式の説明と順位計測の限界

クエリファンアウトは、Google の AI モードと AI による概要が、1 つの質問を複数のサブトピックに分解し、利用者に代わって複数の検索を実行する手法です。Google はこの仕組みを公式文書で説明したうえで、表示のための「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と書いています。一方で、裏で走る検索の中身は公開されず、Search Console では AI 機能の表示が「ウェブ」に合算されます。本記事では Google の一次資料だけを並べ、公式が説明している範囲と、順位計測で見えなくなるものを整理します。

この記事でわかること
- クエリファンアウトの定義と、Google が公式文書(Search Central・Google Japan Blog)で説明している範囲
- 1 回の検索の裏で「分解 → 複数の検索 → 1 つの回答」が起きること。サブクエリの本数・内容は公開されていないこと
- Google が「不要」と明言している 3 点(追加の要件・AI 用のテキストファイルやマークアップ・特別な最適化)
- 順位計測と Search Console で見えなくなるものと、代わりに何を測るか

クエリファンアウトとは — Google が公式に説明している範囲

クエリファンアウトとは、利用者の 1 つの質問をサブトピックに分解し、利用者に代わってサブクエリごとに検索を実行する Google の手法です。日本語の定義は Google Japan Blog にあります。「AI モードは Google のクエリ ファンアウトと呼ばれる技術を使用しています。この技術は、質問をサブトピックに分解し、ユーザーに代わり、サブクエリに対して検索を実行します。」(Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」2025年9月9日2026年8月25日取得)

AI モードだけの手法ではありません。Google Search Central の「AI 機能とウェブサイト」は、AI による概要と AI モードが「『クエリ ファンアウト』手法を使う場合があります」と、両機能をまとめて説明しています(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得)

Google が英語でこの語を最初に説明したのは 2025 年 3 月 5 日、AI モードを Labs で試験提供すると発表した公式ブログです。同年 5 月 20 日の Google I/O で米国での一般提供が始まった際の公式ブログでは、"breaking down your question into subtopics and issuing a multitude of queries simultaneously on your behalf"(質問をサブトピックに分解し、利用者に代わって多数のクエリを同時に発行する)と説明されています(Google The Keyword「Expanding AI Overviews and introducing AI Mode」2025年3月5日/同「AI Mode in Google Search: Updates from Google I/O 2025」2025年5月20日2026年8月25日取得・英語。括弧内は当方による訳です)。日本語の AI モードは 2025 年 9 月 9 日から順次提供が始まっています。半導体や AWS の「ファンアウト」は同じ語を使う別の概念です。AI 検索の用語と計測の全体像はAIO・GEOとは?AI検索対策がわかる完全ガイド【2026年版】で整理しています。

1 回の検索の裏で何が起きるか — 質問の分解・並列検索・統合

利用者が打つのは 1 回の検索でも、その裏では複数の検索が同時に走り、結果が 1 つの回答に編まれます。公式の説明は 3 段に整理できます。

  • 分解 — 質問をサブトピックに分ける。Google Japan Blog は「従来は複数回の検索が必要だったような、長く、複雑な質問を一回の検索で回答します」と説明しています
  • 複数の検索 — サブクエリごとに、利用者に代わって検索を実行する。この段が、利用者にも計測にも見えない部分です
  • 統合 — 個々の結果を 1 つの回答にまとめ、「さらに深堀りするためのウェブリンクも合わせて提示」する(同ブログ)

クエリファンアウトの3段の図。左が利用者の質問1つ、中央がGoogleが利用者に代わって実行する複数の検索(本数は書かず省略記号で表現)、右が1つの回答と深掘り用のウェブリンク。中央だけを強調し、サブクエリの内容・本数はGoogleが公開していないこと、公式説明を図にしたもので弊社の推定ではないことを注記

検索の本数を、Google は公開していません。2026 年 3 月の公式ブログ(視覚検索がテーマのインタビュー)は "AI Mode is basically doing a dozen searches for you in the time it takes to do one."(AI モードは、1 回分の時間で十数件の検索を代わりに行っているようなものです)と述べ、その例として庭の写真を上げて植物ごとの手入れを尋ねる場面を挙げていますが、「十数件」は説明上の言い回しであって、すべての質問の平均値ではありません(Google The Keyword「Google expert explains AI Mode in Search's query fan-out method」2026年3月5日2026年8月25日取得・英語。括弧内は当方による訳です)

裏で複数の検索が走ると分かると、次に出てくるのは「では自社は何をすればよいのか」です。Google の答えは短いものでした。

Google が「不要」と明言していること — 追加要件・AI 用ファイル・特別な最適化

Google は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も不要だと公式文書に書いています。原文は次の 2 文です。「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」「AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません。」(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得。英語版は "There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary."・Last updated 2025年12月10日)。AI 用のテキストファイルが実際にどれだけ読まれているかは、llms.txt とは?効果を137,000ドメインのログ調査で確かめるで別に扱っています。

ただし「特別な最適化は不要」と「何もしなくてよい」は同じではありません。同じ文書は SEO のベストプラクティスが AI 機能でも引き続き有効だと述べており、不要とされているのは AI 機能のためだけの追加作業です。サブクエリを想定したページ設計を勧める解説もありますが、Google の公開文書にその記述はありません。公式の記述と、解説側が足している推測を並べます。

項目Google 公式の記述〔出典〕上位解説が足している推測
仕組み質問をサブトピックに分解し、利用者に代わってサブクエリを検索する〔Google Japan Blog 2025-09-09〕サブクエリの本数・種類の分類、特許文書との対応
表示の条件追加の要件はなく、特別な最適化は不要〔Search Central 2025-12-31 更新〕サブクエリを想定したコンテンツ設計で表示されやすくなる
AI 用のファイルAI テキストファイルやマークアップの新規作成は不要〔同上〕AI 向けの専用ファイルや構造化データの追加を推奨
計測AI 機能の表示は Search Console の「ウェブ」に含まれる〔同上〕AI モード分を切り出して計測できるという前提の手順

右列は、Google が確認していない部分だと分かったうえで読む、というのが本記事の立場です。

順位計測と Search Console で見えなくなるもの — サブクエリは公開されず、AI モードは「ウェブ」に合算される

順位計測が付くのは利用者が打った質問に対してであり、裏で実行されたサブクエリの順位ではありません。サブクエリの内容は公開されていないため、回答に使われた検索と、自社が順位を追っている質問が一致するとは限りません。順位は利用者の質問に対して引き続き付きますが、AI の回答で自社がどう扱われたかは、その順位からは読めないというのが仕組み上の帰結です。

同じ Search Central の文書は、AI 機能に表示されるサイトの数値も Search Console に反映されると説明し、その計上先を「検索タイプが『ウェブ』のパフォーマンス レポートに含まれます」と記しています(Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」日本語版・最終更新 2025年12月31日2026年8月25日取得)。含まれる、とあるだけで、分けて見られるとは書かれていません。Search Console ヘルプの「検索パフォーマンス レポート」に検索タイプとして挙げられているのはウェブ・画像・動画・ニュースの 4 種で、AI モードや AI による概要の項目はありませんでした(Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」2026年8月25日確認)

つまり Search Console の数値には AI 機能分が入っていますが、AI モード分として切り出す公式のフィルタは示されていません。「AI モードの数値は Search Console で取れない」ではなく、「合算されていて、公式に分離する方法は示されていない」が正確な言い方です。

検索順位の計測・Search Console・質問単位のAI回答の計測が何を見ているかの3列対比図。順位計測は利用者が打った質問の順位でサブクエリの順位ではない。Search ConsoleはAI機能の表示・クリックも「ウェブ」に合算され切り出す公式フィルタは示されていない。質問単位のAI回答の計測は回答の中の自社を言及なし・引用なし・引用つきの3状態で記録するもので、この列だけを強調。3つは別のものを見ており、どれかが不要という図ではないと注記

ズレを自分で確かめる手順はGoogle検索1位なのにAIに出てこない|順位とAI可視性のズレに書きました。では、順位でも Search Console でも見えないなら、何を見ればよいのでしょうか。

では何を測るか — 質問単位の言及 3 状態と、順位との並置

見えるのは、同じ質問を AI に投げたときに、回答の中で自社が言及・引用されたかどうかです。サブクエリは公開されませんが、利用者が打つ質問と、それに対する回答は誰でも確かめられます。計測の設計は 3 点です。

  • 質問単位で、回答の中の自社を記録する — 出た・出ないの 2 値ではなく、言及なし・言及あり引用なし・言及あり引用つきの 3 状態で残します。定義はAI言及の3状態とは|言及なし・引用なし・引用つきの読み方で扱っています
  • 順位と AI 可視性を同じ質問で並べる — 順位は質問に、AI 側は回答に付きます。同じ質問で 2 列を並べて初めて、ズレが行として見えます
  • Search Console は「AI 機能込みのウェブ」として読む — AI モード分を切り出せない前提で推移を見て、合算値を AI 機能単体の変化と読まないようにします

回答に添えられるウェブリンクは、Search Central が「従来の検索よりも幅広く有益なリンクを表示」できると書いている部分です。弊社の 22 業種の実測でも、AI による概要は 1 回答あたり 6.9 件の引用元 URL を示していました(弊社実測・2026年7月25日実施。22 業種・2,609 計測・引用 16,351 件。内訳は22業種×2,600回の実測でわかった、AIが引用する日本のサイトに掲載)。その中に自社があるかは、質問単位で記録しない限り分かりません。

弊社の エリスグリ AIO は、日本語の質問ごとに AI の回答を定点記録し、言及を 3 状態(● 引用つき/◐ 引用なし/○ 言及なし)で追う GEO・AIO 計測ツールです。Google の AI モードと AI による概要での見え方から確かめたい場合は、サイトの URL を入れるだけの無料のAI検索診断(5 つの質問)が入口になります。

現在プレローンチ段階のため、導入実績・お客様の声はまだご紹介できません。ベータ招待の準備を進めています。

よくある質問(FAQ)

Q1. クエリファンアウトは AI による概要でも使われますか?

Google Search Central は、AI による概要と AI モードの両方が「クエリ ファンアウト」手法を使う場合があると説明しています(2025 年 12 月 31 日更新)。使うモデルや手法は 2 つの機能で異なる場合があるとも書かれています。

Q2. クエリファンアウト対策は必要ですか?

Google の公式文書には「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」とあります。同時に、SEO のベストプラクティスは引き続き有効だとも書かれています。不要なのは AI 機能のためだけの追加作業で、基本的な SEO が不要という意味ではありません。

Q3. Search Console で AI モードからのクリックだけを見られますか?

Google の説明では、AI 機能に表示されたサイトも検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれます。AI モード分だけを切り出す公式のフィルタは示されていません(2026 年 8 月 25 日時点)。

Q4. クエリファンアウトで検索順位は関係なくなりますか?

順位は、利用者が打った質問に対しては引き続き付きます。ただし、回答のために裏で実行された検索と、その質問が一致するとは限りません。順位が不要になるのではなく、AI の回答での扱われ方は順位とは別に測る、という関係です。

まとめ

  • クエリファンアウトは、1 つの質問をサブトピックに分解し、利用者に代わって複数の検索を実行して 1 つの回答に編む Google の手法。AI モードと AI による概要の両方で使われる場合がある
  • サブクエリの内容・本数は公開されていない。公式が示しているのは「複数」と、説明上の言い回しとしての「十数件」まで
  • Google は、追加の要件・AI 用のファイルやマークアップ・特別な最適化を「不要」と明言している。SEO の基本は引き続き有効
  • 順位計測は利用者の質問にしか付かず、Search Console では AI 機能の表示が「ウェブ」に合算される。AI の回答での扱われ方は、質問単位の記録で初めて見える

次のステップ

  • 自社について買い手が打ちそうな質問を 5〜10 本決め、Google の AI モードと AI による概要の回答を記録する
  • 各質問について、順位と、回答の中の自社の 3 状態を同じ表に並べる
  • Search Console の「ウェブ」の推移は AI 機能込みの合算として読み、AI 機能単体の変化とは切り分ける

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※ 本記事の Google の仕組みに関する記述は、Google Search Central・Google The Keyword・Google Japan Blog の公開文書(いずれも 2026 年 8 月 25 日取得)に基づくもので、Google の内部処理を弊社が検証したものではありません。英語の引用の括弧内は当方による訳です。22 業種の実測値のみ弊社の計測です。仕様は変わりうるため、取得日時点の記述として読んでください。本記事は特定の施策の効果を保証するものではありません。